また 住民基本健康診断 俗称「健診」の季節がやってまいりました。今年もカード(受診券)に色も付いておらず、良く見ないと種類を間違いますので御注意下さい。色紙を買う金も無かったんでしょうか。

それから「アンケート」の様な質問表が付きました。認知症や初老期鬱病などの疾患を各々数問の質問で判定してしまおうという、プロの精神科医が聞いたら卒倒しそうなアンケートです。初老期「うつ」の質問などは私が思わず「はい」と答えてしまうような設問も有りました。

今年も肺癌検診と肺結核検診 学童の結核検診が区別され 貰える領収書は大小様々数枚になり 各病院からの領収書が有るので領収書だらけになります。所見用紙も相変わらず4種類のサイズで 御丁寧なことに厚さまで不揃いです。

A3 A4 A5 B5とまあよくぞ見にくく作ったもんだと。

それから「要精査」という判定になると 嫌が応でも大病院で検査を受けなくてはいけないので 検査の予約を取るのに一日、検査に丸一日を費やし 結果を聞きにまた半日を費やすという 肉体的負担と金銭的負担と精神的負担に耐えられる頑強な身体を持つ方でないとお奨めできません。

学童の結核検診も 学校で行われる「アンケート」(ツベルクリンが廃止になったため)で胡散臭いという判定をされた学童は病医院を受診させられます。そこでツベルクリンなり胸部単純写真なりを「必要があるならば」という曖昧な基準で受ける事になります。

これは医師のマニュアルにそう指示が有ります。「必要が有れば」と。一体どういう場合を「必要」と判断するのかは極めて恣意的。

もしもアンケートに適当な答えを書いてあったら学内が結核患者だらけになるのは必定。乳幼児期のBCGを打ちそびれた子供なんかは沢山居る筈ですし そんな制度の無い国家からの来訪者も増えています。就学時のBCGを廃止したツケは必ず出ると思っています。

誰が責任を取るのか不明ですが。

それから 最初から総合病院で健診を受けられる方が増えました。だって結果はきちんとファイリングされたうえ 前の年のファイルを持参すれば割引になるし 統一性があるから きちんと再読出来る。こんな簡単なことさえも 長年してないのが水戸市の現状なのです。

2004年度から 更に一層面倒になったのが「要精密判定」になった場合 水戸市の場合は「何が何でも基幹病院で精密検査を受けなければならない。」「掛かり付けでは駄目」になったのです。更に2006年4月改悪で「病床数200床以上の病院へ紹介状無しで受診すると自費扱いになります」

日本国全体でおかしくなったのは「乳癌検診はマンモグラフィーでなければならない」となりました。余程日本国民の総被曝線量を上げたいのか そんでなくとも総被曝のうち98%が医療被曝だってのに。

ましてや貧乳の方はマンモグラフィーなんぞ撮れません。読影室に乳首のエックス線写真を持ってこられても。

エコーが貧乳には最も正診率が高いんです!某TK大のエライ教授が決めたんだそうだが下心が透けてる。これは中国に返還される前の香港で、超音波(echo)とマンモグラフィーのどちらが正診率が高いか、偽陽性や偽陰性はどうなのかを統計的に調べた論文が有るのです。当時の香港は英国系つまり白人のグラマーな女性と華人系の貧乳系の両方が居住していたので、半々でデータが取れたのですが 見事に華人は超音波、白人はマンモグラフィーが有利と結果が出たのです。母集団が千人単位ですから統計学的嘘は不要でした。何が何でもマンモグラフィー、と言い張る根拠に反論できなかった先生方は このペーパーの存在を知らないのかな?と。

では胸部レントゲンの よくある例を挙げます。例えば古い古い結核病巣の痕跡が健診で引っ掛かったとします。(しかも毎年引っ掛かっている)今までなら「かかりつけ医」で再検査して過去の胸部レントゲンと比較し 何も変化が無ければ その旨を我々「かかりつけ医」が届け出れば良かったのですが 昨年度からは「掛かり付け」を無視して基幹病院(中〜大規模総合病院)を受診しなくてはなりません。その基幹病院は医者が不足し 毎日が戦場ですから 気が立ってるわ 言葉も荒くなるわ「健診の胸だあーっ?誰か見とけよなあ そんなもん」とばかりの扱いを受けて9時に受診し16時半帰宅。怒って私にそれをぶつけに来院された方もいらっしゃいます。くれぐれも良く考えてから支持政党を選ぶように説得致しました。

では現在の健診で引っ掛かった時の「流れ」を解説します。

まず掛かり付けの先生が健診を行い、その病医院で結果を聞くわけです。これを「一次」と言います。

その胸部単純写真や胃の透視の写真は「二次読影」と言う、専門の読影チームが医師会館で再度フィルム読影を行います。二次で引っ掛かる場合も当然有り得ます。

健診後三ヶ月ほど経過してから「あなたは ガンの疑いが有るから掛かり付けなんぞじゃあダメなので基幹病院で高額な精査を すぐに受けるように」と手紙が来ます。

そして基幹病院を受診し、お尻が痛くなる程待たされた揚げ句「検査予約日だけ」が決まります。

検査当日には「検査だけのため受診」するわけです。

後日、結果は「何ともないよ、昔の結核の痕だし、去年と全然変ってないですね」という言葉を大抵の場合は聞かされるわけです。掛かり付け医であれば当日一回で済むんですがね。なぜ?って掛かり付け医の撮影した過去フィルムと今回の健診フィルムを比較すれば判るんですから。

健診希望の方々に懇切丁寧にこのような現状を御説明したところ

「やだっぺよおー そんなの めんどくせがら先生んとこで やってくんねげー」と極めて当たり前の御返事でした。

駄目なんです、オカミの決定には絶対に逆らえないのです。逆らうと刑事犯。医道審議会で保険医剥脱や医業停止 最悪だと医師免許はく奪になります。

受診者が高齢者だったら 家族も送り迎えに付いていなければならず その負担は大変です。

ここで 私が 毎年疑問に感じている事柄を挙げてみます。

1)受診している年齢層が平均で75才.......最も綿密な丁寧な健診が必要な30〜50才台は 殆ど受けていません。実際主婦健診なんてのが有りますが、受診者は少ないわ項目は淋しいわ、貧血程度は判ります。

2)90才以上での健診って 健康じゃなければ そこまで長生きしません。腰が直角に近い角度で曲った人の胃透視検査なんて不可能です。70才から上の年齢ですと慢性疾患の一つや二つ抱えており、健診の項目のような一般的検査よりも「内容の濃い」検査を定期的に受けている場合が殆どです。
だいたいが「慢性疾患患者」の健康診断って どっか変ですよ。

2)では「胃」の住民基本健康診断は?というと まず「バリウムを飲んで行う胃透視検査」で一次健診を行います。最近 最初から内視鏡で、というのもOKになりました、これは良かったですね。
胃透視検査は 発泡剤という飲み込むと胃の中でガスを出して胃袋を膨らませるものを服用してからバリウムを飲みます。ガスで膨らんだ胃袋に 薄くバリウムが付着するから奇麗な写真になるわけです。
ところが、この発泡剤が80才過ぎの方には「誤嚥」を起こすことが多々有ります。

それを気にしたのか、今年から「反復嚥下テスト」という事をすることになりました。これは30秒で何回ツバが飲み込めるかというテストで、三回以上出来ればOKです。私の目の前で むせる患者さんが増えました。

検査結果で何を言われるか緊張して ノドがカラカラになってる人にストップウォッチ片手にツバを飲ませるんですよ。あたしゃサディストじゃなんです。

医師会館での二次読影で健診フィルムを拝見していると 食道を撮影する段で既に気管にバリウムが誤嚥されているにも関わらず 最後まで検査続行という危険なものが時々見られます。
更には 足腰の弱い方や 骨粗鬆症で腰が悪いという持病の有る方々にとっては あの狭い透視台で二転三転するなんて拷問そのものです。
胃の前壁撮影の際は「逆傾斜」と言って 腹這いで頭をグッと下げる体位を取ります。勿論手すりを しっかりと握り、透視台には滑り落ち防止の肩パッドが付いていますが 時々滑落事故が起き 首を骨折し下半身マヒなんていうニュースが報道される事も有ります。
二次読影で見ていて腹立たしいのは「どこが胃袋だか判らない検査フィルム」が老健施設から100人単位で送られてくる時です。果たして検査が必要なのでしょうか。事実100歳を超えた方の検査を実際に読影したことがあります。皆様どう感じますか?私も多分同じ事を考えています。


また「一般的胃透視の手技」を知らない目茶苦茶な撮影法で検査?したものを二次読影に回してくる「決まった病院」が複数有ります。


通常の胃透視の手順ですが(流儀により多少の差異は有りますが基本は同じ)
●検査前に鎮痙剤を筋注し 胃の蠕動を止める。
●発泡剤を極少量の水で一気に飲む(ゲップを出すな、と言われます)
●バリウムを口に含み合図と共に飲み込む。(食道)通常二回やります。
●台に向かった姿勢で透視台を寝かせ左右に体を揺らし「頭を下げる=逆傾斜」をかけ、胃内のバリウムを頭側に寄せて胃体部前壁を撮影。
●台を水平に戻し、体の右側を下にする方向へ一回転半〜二回転半回りバリウムを胃体部後壁に付着させた後、まず寝たまま正面向き(臥位正面)体の右側を前にするよう斜め前向きで(臥位右前)次に(臥位左前)を撮影します。回転方向が決まっているのは 逆回りだとバリウムが十二指腸に流れ込み胃体部大弯側が見えなくなるからです。素早く動かないといけないのも同様の理由です。
●台を起こし傾斜各約60〜80度で右前方向の「シャツキー」体位の撮影。食道と胃の接合部のチェックです。
●完全に台を90度に起こし、残ったバリウムを一気飲みして立位正面像を撮影。
●圧迫筒を出し、胃の各部分を圧迫進展させ小病変を捜す(概ね8コマ撮影)で終了です。
これだけ撮影する理由は、病変が一枚のフィルムに有ったとしても 他の角度からの物に無い場合は「泡」や「食物残渣」の疑いが強くなる為です。唯一 胃前壁だけは たった一回だけの撮影で判断します。

こんな事は医者ならば 誰でも知っていると思ったら大間違いなのです。
内科を標榜している20床位有る某病院ですが、毎回毎回珍写真を二次読影に回してきます。
バリウムを飲んだら発泡剤無しで 四つ切りのフィルム縦二分割の上 その縦長の画面に胃袋の正面像が同じ向きで8コマ(4枚)写っててお終い。どれが立位で どれが臥位だか前壁だか後壁だかさえ判りません。
一応バリウムは少なく飲んだものと全量飲み込んだものの違いが有るといった代物。
しかも蠕動しているところを見ると 鎮痙剤も打たず 発泡剤も飲んでおらず胃体部もペシャンコのままです。
これが何十人と出てくるのです。
当然前壁や胃食道接合部に何か有っても全く写るわけはないですから見落としではなく「見えない」です。

これを「検査」と言って患者さんに「あなたはガンじゃありません。」とか説明してるんでしょうか。
以前「住民基本健康診断担当理事」名で注意勧告をしましたが何の効き目もなし。
法的抑止力は持ちませんから 相も変わらず訳の判らない胃透視もどきで平気で営業しています。

それから一次判定で「要精密検査」判定となった方々ですが 普通は即刻内視鏡を飲んでいただきます。そうでなければ早期発見の意味が無いわけで、二次の判定が届くまで待つ医師は皆無でしょう。
下に書きましたが 二次読影に回ってくるのは処理能力の関係で二ヶ月後........本当に癌だったら早期から進行期に移行していても不思議ではありません。
内視鏡を飲んでしまっている場合は二次読影が無駄という事になります。
昨年は二次読影に回るのが2ヶ月掛ってました。

3)胸部単純写真(胸部X線写真)について

胸部レントゲン写真程 読影の難しい物は有りません。大学病院の読影室などでは平均400枚/日という膨大な数のレントゲン写真を数名の放射線科診断医(Diagnostic Roentgenologist)が読影していきます。これを10年やり続けて 初めて正常を正常である、と断言できる診断力が身に付きます。異常所見を指摘するのは或る程度トレーニングを受けた医師なら大抵出来ます。出来ないのは「正常」と自信をもって断言することなのです。

二次読影をしていて一番感じるのは、余りにも写真の条件に優劣が有り過ぎる事です。
私は放射線科専門医なので 他科の先生方より かなり色々な写真には数多く出会ってきました。
住民基本健康診断の場合 単純写真はアナログでもデジタルでも構いません。
素晴らしい写真の場合は数ミリ程度の病変でも「質的診断」(つまり一枚の胸部単純写真で疾患名まで判る)場合が有りますが、酷い写真では「いったい何処が肺なの?」という真っ黒けなのから
「これって生フィルムを間違って現像したの?」という 何かが微かに真ん中へんに見える「出来損ないの日光心霊写真」みたいなものも有ります。
お粗末を通り越えた心霊写真を平然と何遍でも二次に回してくる先生もいるのです。
(故宜保愛子センセーや占い師の諸センセーにお願いしたほうが良い結果を得られると思います)

100年以上前 レントゲン博士が自分の奥さんの指輪を嵌めた手を撮影したフィルムのほうが数段解像力が高いのですから呆れるばかりです。
詳細にフィルムを見ると、
「増感紙を全く交換していない」(ワンセット7万円で高価)
「増感紙とフィルムのタイプが全く合っていない」
「日切れして感光したフィルムを平然と使う」
「グリッドと管球位置(距離)が全く合っていない」
「管球が(焦点が)限界を越えて古びている」=散乱線が多く効率が悪い為患者被曝線量が問題になる。
「現像液か泥水か判らない汚水で現像している」
「全く現像機を洗浄していない」
「定着液が古すぎて 二次読影に回って来る間にセピア色に変色している」
「フィルムにローラースリップ痕=現像液が泥状になり現像機のローラーに付着しフィルムが前に送られない」という写真が多すぎるのです。
そういう写真を平気で二次読影に回す病医院は「決まった病医院である」とも断言します。正常な神経の持ち主ならば 恥ずかしくて出せません。
※増感紙云々は難しい理屈が有りますので 何処かのサイトを調べて下さい。尚X線フィルムは現像液と定着液の二種類(普通の銀塩写真は三種類=停止液が現像液の後に有り定着液の劣化を防いでいます)です。

だいたいが どこが肺で どこが骨だか判らない写真で「あなたは健康です」「あなたは要精密検査です」などと言えるのでしょうか?(判定用紙には大抵の場合「異常なし」となっています)
これらの「どうしようもないクズフィルム」は二次読影で「要再撮影」と判定しますが、誰がどう考えても同じ場所で「再撮影」したからと言って「まともな写真」が撮れるとは思えません。
ですから「要精密検査」という判定をわざと下して基幹病院での精密検査にします。
しかし「患者被曝」は増えるわ 医療費の完全な無駄遣いだわ(日本人の被曝量の97〜98%は医療被曝です)それで早期癌でも見つかれば まあ仕方がないとも言えますが 幸い大抵は「何で精密なわけ?」という結果に終わります。精密検査担当の基幹病院は本当にお気の毒です。
意地悪な見方をすると「何が写ってるかも判らんようなクズ心霊もどき写真」の場合 結果的に早期癌が見つかりやすくなるという事になってしまいます。

更に内部告発じみて言うのを憚るのですが 誰かが言わないと「待遇改善にならない」ので声をあげる事にします。
「二次読影」(一般検査を受けた病院の判定が一次読影、更に医師会館で担当委員達が行うのが二次読影です)での出来事ですが 通常 胃透視検査は3〜4名の判定委員が行います。
二次読影は夕方七時から始まります。
読影担当委員は一般開業医で、消化器内科や消化器外科 放射線科で構成されています。委員長は基幹病院の部長クラスの先生が担当され、二次読影の担当者名は委員長名が記載されます。
夕方七時というのは やっと午後の診察が終わって 慌てて駆けつけないと間に合わない時間です。
委員長の先生は欠席されるわけにも行かず 病棟業務等が残っている場合は読影終了の後 慌てて病院へ戻る事になります。しかもスタート時間は決まっていますが終了時間は全く判らないので 下手をすると夜10時を超える事も有るのですが その報酬金額は「3千円」ポッキリ(夕食は出ません、お茶が最後に出るだけ)
ほぼ時給千円ってのはマクドナルドやケンタッキーのお姉ちゃんと同等。
YaHooのクレーム受付部門に居る知合いに聞いたら夜の部は1700円だそうです。
散々書いているような お粗末で、時間切れの写真を きちんと「読影」して この報酬では「こっちが逆に払うから辞めさせてくれ」と言いたくなり 皆サボタージュし、出てこなくなるわけです。
ボランティアならボランティアで最初から そう言えば良いし、せめて弁当くらい配付して、空きっ腹で苛々している我々を何とかして欲しいと切に思う次第です。 

4)便潜血反応について。

日本人は少なく見積もっても70才代ならば3割から4割の痔主が存在します。研究者によっては5割以上とも言われます。便潜血反応は「人間の血液が便に混じってる」という事のみ を調べる検査ですから痔主は必ず引っ掛かります。これを理由にして二次健診を受けない方が多すぎるのですが それなら何故健診を受けるのでしょうか?では 引っ掛かった人で「直腸内視鏡検査」を受ける人は どれ位居るものでしょうか?実際データで見ると「便潜血反応陽性」者で大腸内視鏡を受ける割合は二割以下です。
バリウムを大腸内に入れて行う「大腸透視検査」を受けるのが一割程度です。
つまり要精密検査と判定された方のうち7割が再検査も精密検査もせず翌年度の検査を受けに来ます。
「便潜血陽性」と判断された患者から実際「大腸癌」だったのはというと、御当地の場合 昨年 一昨年と たったの一人です。何千人調べたか判りませんが、一人引っ掛かる程度の「検査」ってものは非常な非効率か無意味と普通は考えます。
「検査」の名に値するのは その結果で疾患名が決まるとか 極めて限定されるものを言うと思います。
誰が受けても「陽性」なら そっちが「正常」なんです。ただし「異常」というのは 絶対多数に対する ごく少数を意味するものですが。

5)血液・生化学検査について。

まず茨城県の場合 用紙がA3サイズ(通常使用する用紙の二倍サイズ)で大変にファイルしにくく、更に「肺癌・肺結核検診」がA3サイズ、胃癌検診がペラペラのA3サイズ 乳癌検診がペラペラのA4サイズ、便潜血反応(大腸癌検診のようなもの)ペラペラのがA4サイズとバラバラで受診者の利便性は全く無視。
ペラペラの用紙の薄さは、大昔の戸籍謄本で使っていた コンサイス英和辞書の用紙並の薄さです。
他に「正常値」が用紙に印刷されていません。
これは検査方法により正常値が違ってくる為に そうなっているのだとは思いますが、概ねの値程度は印刷しても構わないと思います。何しろ用紙の裏側は完全な「白紙」ですから。
現に民間の「人間ドック」は用紙も統一され ファイルしやすく かつ見やすくなっています。
最初から「お上の仕事」という感じです。毎年項目が増えても用紙のレイアウトを変えるのが余程嫌なのか、増えた項目が用紙の隅っこに有ったり ペラペラの紙が増えたりで 受診者に見易いようにするという基本的な発想が有りません。

では中身の検証をすると........御手元の用紙や結果を見て下さい。

まずは肝機能!やっと「ZTT」(血清膠質反応)が無くなりました。ここで叩いて四年目の快挙です。

更に肝臓癌なら殆ど引っ掛かる腫瘍マーカーのAFP(肝硬変でも上がります)が有りません。
肝臓癌をTTT GOT GPT ガンマGTPだけで診断しろというのは不可能です。

膵臓に関しては一切検査項目が有りません。癌どころか機能検査すら無いのですから論外で 民間ドックならアミラーゼ位は ちゃんと見ます。
また膵臓癌の腫瘍マーカーのCA19-9は有名なもので かなりの確率で膵臓癌を診断できます。他にも見ていない臓器で重要臓器としては胆嚢も全く想定外です。

続いて「脂質検査」ですが「HDLコレステロール」俗に言う「善玉コレステロール」は有りますが「悪玉」=LDLコレステロールは項目が有りません。民間なら当然のように調べます。

腎機能検査では「BUN」(UNとも)と「クレアチニン」の二項目だけで、腎機能低下なら必ず調べるβ2マイクログロブリン検査は有りませんし 腎癌の検査は「尿検査」しかも糖、蛋白、潜血だけのものと併せて診断しろという訳です。早期腎癌は見つかりっこありません。
末期の腎癌なら見つかるかも知れません。
住民基本健康診断を受けに来ている方々は「まさか癌は無いだろうな?調べてよ。」と思って受診されています。それならいっそ 下らない(と、思う)項目を外し「SCC」「CEA」「CA19-9」と言った「腫瘍マーカー」を積極的に活用すべきではないのでしょうか?その方が偽陽性も増えますが 随分マシな検査になります。勿論腫瘍マーカーの陽性率(癌なら必ず上がるというマーカーは有りません)にもよりますが AFP CA19-9 SCC CEAなら かなり役に立つものです。
現在の保険システムは一ヶ月以内に腫瘍マーカーを三種類計ってはならん!と一項目は削り屋が査定して来るのです。
肺癌なんかは随分診断の助けになるのですが この件まで話を広げると収拾がつかなくなるので ここでは触れません。
但し住民基本健康診断だけは 3〜4種類を調べる、となれば住民基本健康診断の持つ意味合いが違ったものになると思います。

それにしても基本健康診断の受診票の項目の情けないのには呆れるばかり。
栄養「良」「不良」って その下に標準体重や肥満度ってのが有るのに聞いてどうする。 
更には血色「良」「不良」って おのれは江戸時代の住人か?糸脈でも取ればいいのかねえ まったく。
(英語のカルテで日本人はnatural-yellowって記載する。黒人の受診者の場合...........どうすりゃいいんだ??)

まだある、自覚症状の質問項目。「最近次のような症状が有りましたか?」に答える。
●意識を失って倒れた
●手足が不自由な感じがする
●舌のもつれた感じがする
●長く続く頭痛 目まい ふらつき 耳鳴りがする
●胸の奥に次のような症状が有った(締め付けられる 痛い 不快 圧迫される 苦しい 焼ける感じ等)
●坂道や階段を昇るときの動悸息切れが有る
●脈の乱れ 脈の飛び
●顔 足がよくむくむ
●よくのどが渇き お茶や水を飲む

普通は意識を失って倒れたら救急車で入院すると思う。
手足が不自由な感じって 実際高齢者で不自由な感じの無い人って??。
他は兎も角 最後の質問に至っては糖尿病の質問だが これ 他人と比べての話で 活発に動く人は当然「よく飲む」し「真夏の健診」だったらどうなるんでしょう。
で 珍回答だが「私はジュースかコーラを飲むから違う」という大糖尿病の患者さんが居た。
この方「みのもんたの番組で糖尿病は黒糖を食べろと言ってた」、と食べていた。
きっと高血糖でアシドーシス血症を起こして亡くなったら「みのもんた」が責任を取ってくれるんでしょうね。

よく見かけるが 上記の質問全てに「はい」と書く中年女性。
あなたは入院して精査するか 受診する診療科が100%間違ってると思う。

どうせ聞くなら 下らないと思わせておいて「今日は何月何日でした?」「今年は平成何年?」とか痴呆の診断の長谷川式簡易知能スケールを混ぜ込んでおけば良い。


他にも
●私は神だと思う
●誰かが私を動かしている様な気がする
●頭の中から時々声がしている
●耳の中の小さな小人が 私に囁いている

●小さな大名行列と 時々すれちがう。

●タンスの引き出しをあけたら妖精が居た。
なんて 中々良い質問だと思うが はい、と答えられたら かなり怖い。

上記は冗談にしても最近気になって皆にしている質問「何か健康に良い、と言われて常用しているものは?」というもの。

これを聞いただけで肝機能悪化以上の障害を見つけてしまいました。「みのもん」の番組で聞いたから、と黒砂糖を齧っていた糖尿病患者や チョコレートダイエットにチャレンジした糖尿病患者。干し納豆が良いと聞いて あの塩辛い干し納豆を毎日食べていた高血圧患者 etc、患者が死んだら「みのもん」は責任取ってくれるのでしょうね?白インゲン豆で入院された方が100人位いたというのは ごく最近の話ですが、マスゴミは皆同じ穴のムジナなもので 原因を追及したルポを流した放送局が有りませんでした。

其れは兎も角

慢性疾患治療中の患者の「健康」診断は絶対におかしい。

老健施設で行うガン検診の意味について考えるべき時期です。

健診を受けられる年齢の「上限」を定める時期じゃないでしょうか。

医療費抑制策は高齢者から高額の診察費を取る事、なんて私ら医者は全然思ってませんよ、それより先に無駄な出費を何より先に抑えるべきだと言ってるんです。役人のむだ遣いを放置しておきながら医師に責任をかぶせる連中が なにより悪いんです。

他にも「一週間以内に、数軒の病院から精神安定剤だけ貰ってる」とか「社保が切れてるのを承知で受診し医者を騙す」こういう輩を排除すべきです。

せっかくのカード型保険証なのですから磁気コードを入れ せめて一ヶ月以内の受診歴と投薬内容、社保期限などを入力してくれませんか?もう確信犯で医者を騙しに受診するのが毎月数名いるんです。