2008/2/9 最後尾に永尾製作所所有刻印一覧を掲載(+ちょこまか記事追加)
カネ駒縦折真鍮鞘肥後守(復刻版)1890円![]()
刃材:青紙割込 柄材:真鍮 全長170mm 鞘長98mm 刃長78mm 刃幅15mm 刃厚3.0mm 重量55g チキリ穴無し 両面凡座金
これは一般に流通しておらず、「名古屋高島屋」で開催された「日本伝統展」という催しでカネ駒さんが出品展示販売された物です。名古屋の収集家のIさんが連絡を下さいまして 私も珍しい現代版新品縦折肥後守を手にする事が出来ました。感謝です。現代版ですがコレクターの方ならお解りだと思いますが、かなり横折肥後守と近いサイズです。明治〜昭和初期の縦折肥後守は薄く小さく頼りない位ペラペラな感じがします。また復刻版ならではなのか?チキリ穴が有りません。これ実は大変持ち歩きに不便です。構造上どうしても刃が回り過ぎると刃先が反対側からコンニチワしたりするのですが ポケットの中だったらケガしますね。少なくとも昭和30年代までの悪ガキは、チキリ穴に「タコ糸」を通して首から下げて持ち歩きました。大抵の悪ガキのポケットには穴が開いてましたしね。だからこの復刻版はポケットに入れて持ち歩きしてはイケマセン。違法行為ですしね。昭和30年代までは肥後守は子供が持ち歩く事が前提のポケットナイフでした。学校にも筆箱に入れて持って行ってました。復刻版の真鍮鞘は昔のペラペラと違って1.2mm厚の真鍮板製ですから 相当ガッチリした感じです。出来れば両面菊座金とチキリ穴が有れば最高なんですが。バックが赤い写真が戦前版の肥後守との比較です。御覧の通りで、刻印とチキリの向きに決まりは無かった様です。両面菊座金といっても大きい物から細かいものまで様々ですが 一応古い物程「華奢」で「薄っぺらい」印象が有ります。偽物が出回る原因が この安っぽそうな構造ですね。それに比べて現代復刻版の これが1890円は激安な感じです。Yahooオークションで流したら一体幾らになるやら.......
刃材:青紙割込 柄材:真鍮 全長270mm 鞘長200mm 刃長122mm 刃幅23mm 刃厚4.5mm 重量148g チキリ穴無し 両面菊座金 竹虎刻印と元佑銘入り
写真の通り仕上が少し粗っぽくバイスのガジリ痕が有りますが、正真正銘の元佑作ジャンボの真鍮鞘です。これも上記名古屋のIさんにお願いして購入していただいた物です。展示会には永尾元佑さんは来店されず息子さんが来店されていたそうです。永尾元佑氏も御高齢ですから これから完全な新型を製造される事も少なくなってしまうのかな?と思います。以前ここで御紹介したステンレス板のジャンボよりも一回り小振りですが 柔らかい真鍮柄の為か最高級板を意味する両面菊座金と竹虎刻印が入り、桐箱に入っています。チキリの出来具合は非常に良く 刃体と柄が擦ってしまう事も有りません。純粋にコレクター向け商品なのでしょうが造りの良い肥後守です。
珍エラー肥後守(普通の青紙割込に何故か元佑銘が有る)
スペックは ごく一般的な青紙割込の標準価格¥1500程度の真鍮柄 青紙割込肥後守の何の変哲もないシンプル肥後守なんですが 何故か高級版の証である筈の「元佑銘」が刻印されているという初めて見た珍品です。多分作っている最中にうっかり押してしまったのが製品に紛れ込んだんでしょうね。本来「元佑銘」の打ち込んであるのは必ず両面菊座金の物だけに限られています。これは知り合いの業者さんが譲ってくれました。五枚目の写真が普通の青紙割込真鍮柄の裏面。のっぺりしてるでしょう?六枚目は手持ちの「元佑」(もとすけ)銘のを並べて見ました。竹虎刻印のが桐箱入りの青紙本割込鍛造で積層鋼じゃないやつの裏面、全てタガネ彫りの刻印のが「青紙多層鋼割込の桐箱入り」のもの。元佑銘はいまのところ売られている肥後守では字体は一種類だけですが 深さによって別な刻印に見える場合があります。しかしこのエラーは珍しいですね、高級版の真鍮柄は厚さが1.5mmと分厚くレギュラー版は1.2mmで持った感触が全然違います。まず市場に出る前に気づかれますから出てこないでしょう。こういうエラー物に興味を持ち集める様な人間をマニアとかヲタクと言うんでしたっけ?
刃材:多層綱青紙割込三層綱 柄材:真鍮 全長220mm 鞘長118mm 刃長100mm 刃巾15mm 刃厚4.2mm 重量108g チキリ穴無。竹虎刻印無 元佑銘有 両面菊座金
肥後守定「駒(まず現在唯一正式に「肥後守」を名乗れる永尾駒製作所の製品)を紹介していきます。正式な肥後守を「全種類を今も製造している」のは「永尾駒製作所」つまり「カネ駒」ただ一社だけです。「駒 上に逆L(金尺の印)がかぶっていますが「カネコマ」と呼び、永尾元佑さんの屋号です。ちなみに金尺マークは、刀鍛冶が鍛造過程で歪みが出ない目印として打ち込んだ由緒ある印です。
現在も時々「肥後守」を名乗ったものが有りますが「カネ駒」のOEM生産品です。御世話になった[e刃物]のサイトに肥後守の詳細が紹介されています。余談ですがカネ駒で雑誌とのタイアップで造った肥後守には「ビーパル」と「小学一年生(ドラえもん刻印)」が有ります。私の肥後守収集の切っ掛けが この俗称「ラピタ肥後守」でした。
本割込とは地鉄に鋼を割り込ませて鍛造する方法のこと。多層綱は 積層綱と言って2種類以上の金属を重ね合わせて作るもので、鍛造の過程で何度も積層されることにより、独特の縞模様が出来ます。 ブレードの表面に美しい模様が浮き出しており複数の金属の長所が組み合わされ、優れた特質を持った鋼材に仕上がる。メーカーはダマスカス鋼と銘打っているが、ダマスカス綱と積層綱は作り方が全く異なるが、混用している場合が多い。ダマスカス鋼のブレードは「こういう模様」である。「墨流し」とも言うのですが この名前は某ナイフ店が商標登録したために使えなくなっています。古来から有る加工法を商標登録させる方もどうかしています。
峰(刃の背中)まで鋼が通ってない物を割り込み、通っている物を三層鋼て区別しているようですが 各メーカーによって表現が違うので紛らわしいのです。例えて言えば「ハムサンド」状態が三層綱、「オカズ・パン」状態が割込と考えて下さい。(パンの部分が「地金」でハムやオカズの部分が「ハガネ」)
この個体は柄の部分に「野に遊び自然に学ぶ」という刻印が有ります。この「ラピタ版高級肥後守」が切っ掛けで高級版肥後守が復活したのです。凡百の肥後ナイフと比べ、唯一「肥後守定」を名乗れるだけの重厚感が有ります。ジョイントピンの付け根にある座金を「菊座金」と呼びます。単なるワッシャーではなく高級版の証です。チキリの荒い造りは本家肥後守共通の難点で ちょっと手を加えて整形してあります。本家カネ駒製品は、他社高級版製品より やや造りが荒い方です。 言い換えれば素朴な味わいが共通しています。箱出しのままではなく、自分で二三度研いでから使うのが正しい使い方。「肥後守定」を何と読むか?役所への登録時に 振り仮名が振ってあり、正式(法律上)には「ひごのかみ」どころではなく「ひごもりさだかねこま」唖然としますが これは商標公報に出ているれっきとした公文書に使われた読み仮名なのです。
刃材:積層綱青紙割込三層綱 柄材:真鍮 全長215mm 鞘長120mm 刃長96mm 刃巾17mm 刃厚5mm 重量105g チキリ穴無 竹虎刻印有 元佑銘有 両面菊座金
こちらが現在市販されている「積層綱青紙本割込・特大」です。現在普通に入手出来る最高級の肥後守と呼んで差し支えは無いでしょう。多層鋼については色々あるにしてもMost of Higonokamiですね。まず桐箱が「ラピタ版」では畳んだ状態で収まる形の桐箱でしたが、こちらは刃をオープンした形状で収まる長方形のものです。刃の背中部分を見ると鋼が背中まで通っている分厚い三層綱です。地金は8層の積層綱。鋼は青紙二号を使っています。流石に現在のカネ駒製肥後守シリーズ中の最高級バージョンだけあって、柄には「竹虎」の刻印と「元佑作」の刻印。「両面・菊座金」。ジョイント・ピンも太く、この個体はチキリも奇麗に整っています。やはり高級版には ラピタ版のような、妙なお説教めいた言葉よりも「竹虎刻印」が似合います。最後の写真で御確認を。この竹虎多層鋼はチキリの角度が悪く 175度位までしか開きません。柄材をリューターで広げれば良いだけなのですが 何となく勿体なくて このままにしています。しょっちゅう使っているのがラピタ版なので柄材が光っています。基本的にはラピタ版と何も違わないのですが コレクター魂で揃えてしまいました。 これも「e-刃物」さんにお世話になりました。
刃材 軟鉄青紙割込 柄材:真鍮 全長220mm 鞘長120mm 刃長102mm 刃巾16mm 刃厚4.5mm 重量103g チキリに穴有り 竹虎刻印有 元佑銘有 両面菊座金
この肥後守は 多層鋼板を除けば現在入手できる最高級の肥後守と言えます。普通に研いで使うには こちらの方がより良い選択だと思います。基本的に青紙割込の多層綱仕様の物と同じで 地鉄が普通の軟鉄仕様になっています。つまりこちらが通常仕様の「最高級品」という事になります。4枚目写真の上が竹虎・青紙で下が竹虎積層です。重さが100g超級。実にズッシリし刃も分厚く只者ではない風情が漂っています。チキリの穴は 昔ここに糸を通し、首から下げた名残だそうです。そうしておけば勝手に刃が開かず持って歩けたそうですが 現在これをすると「不法所持」になるので御注意。多層鋼版には穴が無いのですが 今までの肥後守の歴史の中では「最高級」に属する種類の物に穴が開けてあるケースが多く目に付きます。また高級版は座金(ワッシャーをこう呼びます)が両面菊座金です。「竹虎」も最高級を意味します。5枚目写真で判る通り竹虎・青紙本割込にはチキリの穴が有ります。多層鋼仕様は特殊なものと考えられているのかな?と思います。ただ真鍮柄シリーズはチキリ部分の角度が個体によって差が有ったり大きさが違ったりという味わい?が有ります。何となくカネ駒だと許してしまう手作り感です。
ちょっと解説すると
「青紙」あおがみ 島根県安来市にある日立金属安来工場で作られた和鋼の一種。明治時代に特殊鋼を製造すると目印の色紙を張ったのが由来。「○紙」とあれば刃物用の炭素鋼です。ヤスキハガネと書いてある場合も有ります。硬いがゆえに こじると欠けたりします。
「利器材」 りきざい 異種金属を一枚の板に圧延したもの。それぞれの材料特製を引き出す為の複合材。クラッド材とも言います。いわば「金属のベニヤ板」です。色々なメーカーがそれぞれの刃物用の素材として製造しています。規格があり、二層、部分クラッド、多層クラッド等が刃物に使われます。高級和式鍛造刃物を名乗ったクラッド材使用の物も多いようです。異種金属を複合化する事で「強靱性」「容加工性」「対腐食性」「永切れ性の向上」等が優れ、更に高級ハガネを必要部分だけに使用する為材料費の節約となり 金属素地の積層模様や刃紋描出などの意匠性が増します。色々なメーカーが知恵を絞って造るもので廉価な物から高額な物まで色々有ります。利器材だから安物という事は全く有りません。
「熱処理」刃物綱をナイフの形に切り抜いただけでは刃物にはなりません。ハガネを高温に熱した後、急冷する事で「焼き入れ」し硬度を上げ その後靭性(ねばり)を出す為に、一定の温度に加熱し徐々に冷却する。これを「焼き戻し」と呼び この一定の作業を熱処理と言い 鍛冶職の腕と経験がモノを言います。
「竹虎」昔の肥後守は竹や虎の絵を刻んだ物が多かったので三木市のヒマサ金物(竹虎肥後守販売元=アルデ)のブランド名となっています。 またはカネ駒製肥後守の高級版を表現する場合「カネコマの竹虎」というふうに使っています。
刃材:青紙割込 柄材;真鍮 全長119mm 鞘長120mm 刃長98mm 刃幅16.7mm 刃厚3.0mm 重量70g チキリ穴無 両面凡座金
07年4月Yahooオークションに三木特産金物センターさんから出品された非常に珍しい「二十数年前モデルの竹虎刻印銘肥後守」である。先方に「利器材」では?と質問したところ 製作者の永尾さんに直接質問して下さり、間違いなく「割込鍛造」だと回答を得たとの事。二十数年前に造った「肥後守ナイフ工程」に使われているのがこの竹虎刻印と同タイプの物で その工程通りなので間違いなく」割込鍛造という事だそうです。 6枚目の写真から一回り大きく見えるのが「現行・竹虎刻印肥後守」である。単に「竹虎」と記載すると「アルデ・竹虎肥後守」と混同する為 敢えて「竹虎刻印」とします。まず現行品との違いは刃の厚みである。4.5mm VS 3.0mmというのは相当な違いである。スペックに記載していませんが柄材の真鍮の厚さも1.6mm VS1.0mmと現行品が分厚い物を使っています。重量が103gVS 70gと初期型が相当軽い。チキリの大きさも一回り小さく 鳩目も一回り細く菊座金ではなく両面とも凡座金である。竹虎刻印には通常、最高級の証である「チキリ穴」が有るのだが この個体には開いていない。何より「元佑作」の刻印が無いのである。裏面の竹虎の刻印そのものだが、トラの左下に竹の切り株が有るのを初めて確認した。他のモデルでは柄材が分厚く、上手く刻印出来ていなかった模様である。それにしても.....だが永尾さんの確認が有るとは言え どうしても利器材に見えるのだ。作者の言に間違いない、と判断し「割込鍛造」と書きましたが......。20数年前というと 肥後守が皆から忘れられかけていた頃だと思います。今の隆盛?はラピタという雑誌の功績が大きいのではないでしょうか。ナイフマガジン等の専門誌では以前から記事にしていましたが 如何せん専門誌(特殊な?)であり大勢の目に触れにくかったのです。
奇麗に研いであるのは三木特産金物センターさんで天然砥石を使い研いだ為である。恐らく二十数年前の竹虎刻印銘は この様な仕様であるという「年代別カタログ」の逸品だと思っていただければ幸いである。
刃材:青紙多層綱割込 柄材:真鍮 全長215mm 鞘長118mm 刃長100mm 刃巾15mm 刃厚4.5mm 重量106g チキリ穴無 両面菊座金
ヘビー級の珍しい多層綱版特大肥後守である2006年11月、以前オークションで御世話になった方から珍しい肥後守が有り「そっと出てきて いつの間にか売れてしまっている」という情報を頂戴し、早速「三木特産金物センター」に連絡し幸い入手出来たものである。見た目に相当な迫力が有り 其れも其の筈で刃厚は私の持っている肥後守で一番。そして最大の違いは 柄の裏面にタガネ銘で刻印された「播磨国乃住 元佑作」という文字である。細く深い刻印で非常に明瞭である。この刻印の存在は 今回御連絡を頂戴したKさんから教えてもらうまで全く知らなかった。非常に珍しい物である。また これを購入するときに紹介され購入したのが下記の「藤原 敏作ナイフ」でした。肥後守の蒐集を始めてからというもの 各地のコレクターの方々の情報で色々珍しいものが集まって来るようになりました。ここに感謝の意を表する次第です。青紙多層綱仕様の特大サイズは これで3種類となったが、最も仕上げが良いのが当該品であろう、チキリの仕上げを見ると大きさ 縁の処理等最も丁寧な仕事が成され 正面から見た刃の角度も正確に揃っている。意外に高級版でも物によってはバランスを欠いた物が存在する。やはり手に取って選ぶのがベストだろうが そういかないのが辛いところである。素材の持つ重厚感といい最高の肥後守であろうと思う。
刃材:青紙割込 柄材;真鍮 全長215mm 鞘長120mm 刃長90mm 刃巾15mm 刃厚2.8mm 重量70gチキリに穴無し 両面凡座金
最も入手しやすい価格の本物の肥後守です。これは「桐箱」に入ったり「多層綱」を使ったりしていない「特大サイズの普及版」という位置付けです。しかし写真で判る通りで写真で見る限りは竹虎版と区別が出来ません。刃は竹虎と比べると薄く、それに合わせ柄材も薄くなっています。ですから6枚目の写真で見ると、全体的な厚みが竹虎仕様の6割程度です。肥後守・肥後ナイフはサイズ表記が妙で 大きい順に「ジャンボ」「特大」「大」「中」で「小」が有りません。一番小さなものは「豆」肥後です。昭和30年頃までは「小」と思しきサイズのものが女の子用?に売られていました。我々悪ガキが持ってた物より小振りな肥後守を筆箱に入れていた姿を覚えています。(もしくはカミソリの刃を使ったブリキのボン・ナイフを持ってましたね)
これはワッシャー部分に「菊座金」を使っておらず「鳩目」=ジョイントピンも一回り細い物を使っています。チキリは 荒さの残る造りだったので、リューターで削り直し 滑り止めのローレット状に加工しています。刃をミラー加工にしようと青棒で研摩したため写真が光ってしまいました。この「青紙本割込」が真鍮柄・特大サイズでのスタンダードモデルということになります。使いまくる場合には、厚刃より薄い方が使い易く価格も安価ですし 御薦めモデルです。(菊秀銘のOEMモデルは このモデルを黒鞘にしたものです)
刃材;割込 柄材:真鍮 全長172mm 鞘長97mm 刃長75mm 刃幅13mm 刃厚2.6mm 重量48g チキリ穴無 両面凡座金
昭和44年暮から45年3月に至るまで「小学一年生」の定期購読を講談社に申し込んだ読者にプレゼントされたもの。ドラえもんは昭和44年秋から「ウメ星殿下」の後から始まった。今から考えると、これから小学生になろうという幼稚園児に配付したわけだから偉いというか信じられない。自分がコレクターを志してから何年間も「幻の肥後守」だったが08年5月Yahooオークションに出品され もう勢いで落札した。履歴を拝見すると皆様私のこのHPを読んでいて下すったらしく私が入札してから皆様に手を引いていただいてしまったようです。ご迷惑をおかけしました<m(__)m>。閑話休題 このドラえもん肥後守は旧タイプの刻印時代の「大」サイズで御覧の通り深くしっかりした刻印が刻まれている。刃も現在ははっきりしない「ベベルストップ」がはっきり認められる。ほぼ50年前の個体としては全く錆一つ無く当時のビニールまで残っている信じられないコンディションである。
刃材;青紙割込利器材 柄材:真鍮 全長210mm 鞘長120mm 刃長91mm 刃幅16.7mm 刃厚3.4mm 重量73g チキリ穴無 両面凡座金
一枚目の写真で現行モデルとの違いが解った方はマニアです。正解は「刻印銘の大きさが現行モデルよりも小さい」です。向かって右側の刻印銘が小さく深い物が古い方の青紙割込です。大体の刻印サイズですが現行モデルでは9mm×47mmに対し6,5mm×37mmです。戦前の物には12×60mmというのも有ります。他にもよく見ると違いが有り「最初からベタ研ぎ(ストレートグラインド)である」「刃厚が少しだけ厚い」事が挙げられます。写真の物は私が仕上げ研ぎをしたので分かりやすくなっていますが 現行モデルでは刃をグラインダのコンタクトホイルで仕上げる為 刃の長軸方向に凹みが出来ていて ベタ研ぎに研ぎ直すと「青紙割込」の文字の右1/4が消えかけます。この古いモデルは確か10数年前まで制作されていた筈です。月刊誌の「アピタ」の特集で肥後守を扱ったのが切っ掛けで肥後守が見直された処が有り「竹虎本割り込み」や「多層鋼・本割込」が出てきました。それまでは正直 肥後守は消えかけていた印象が有ります。この刻印銘は種々有る中で一番小振りのものの様で、先日作られたステンレス柄の青紙割込と殆ど同じのようですが(4枚目の写真参照)相当深く打たれています。ステンレスは固い為に文字が小さく見える様です。この個体は どうやら水を被ったか湿気の多い環境に長期間置かれていたらしく、入手時には刃には薄く錆が浮き鞘には緑青を吹いていましたが、#1000の砥石から#3000の仕上げ砥まで掛け 鞘はタフクロスで しつこく磨いて再生しました。緩んでいた鳩目も丁寧に叩いて再生しています。普通に使うならキング砥石の#1000(俗称=赤レンガ)で充分奇麗に研げます。
特別鍛造 本割込 笹の葉型 大 約3100円
刃材:軟鉄黄紙割込 柄材:真鍮 全長176mm 鞘長97mm 刃長80mm 刃巾13.5mm 刃厚3.0mm 重量52g チキリ穴無 両面菊座金
今ではちょっと珍しい形の肥後守です。「笹の葉型」「トンガリ」と呼ばれた 初期の肥後守が この刃の形状です。九州方面で良く売られたそうです。ダガー刃に見えますが、古い肥後守ほど上下対称のダガー刃だったようです。未だに定説の無い「平田ナイフ」の形状を引き継いだのでダガー刃なのだという説を唱えている方も居るようです。先端が薄いため ちょっと抉ると大きく欠けてしまいます。これもカネ駒製品で 標準型=「大」の大きさのものです。軟鉄の間に黄紙を割込鍛造したSK材を使ったもので 黄紙というと「なーんだ」というムキも多いのですが、これも安来鋼で普通の刃物綱のことです。この個体も仕上げの荒さが目立ちます。鳩目金具の前の部分を見て貰えば判りますが、菊座金の前端が削られています。黒仕上の物も鳩目金具ギリギリに柄の先端が来ています。チキリの角度も妙に違います。現在「笹の葉型」の肥後守・肥後ナイフは高額肥後守を除けば カネ駒の独占状態で選択の巾が有りません。ところが高額肥後守・肥後ナイフには笹の葉型が多く造られています。多くの購入層が ほぼ中高年というところから昔使った形状にこだわっているのかも知れませんね。
特別鍛造・本割込・剣型 大 約4200円
刃材 黄紙割込 柄材:真鍮 全長180mm 鞘長98mm 刃長80mm 刃巾14mm 刃厚3.0mm 重量52.5g チキリ穴無 両面菊座金
「剣型」と言われる日本刀の先端のような形状の刃をもった珍しい物です。こちらも軟鉄の間に黄紙(SK材)を割込鍛造してある「大サイズ」つまり標準型です。この形は珍しいもので 折畳み型の剣鉈のように見えます。日本刀をイメージした格好ですが 肥後守は案外保守的で 斬新なデザインのものは この剣型以外には殆ど見掛けません。剣型というのは 本来の先端を立てて使うナイフ的使い方だと ちょっと使いにくく また研ぎにくいかも知れませんが コレクターにとっては「欲しい」一品です。この「剣型」は「大」サイズの色違い版しか無く「特大型」が欲しいところです。
刃材 多層綱青紙割込 柄材:真鍮 全長177mm 鞘長96mm 刃長80mm 刃巾14mm 刃厚4.0mm 重量65.2g チキリ穴無 元佑銘有 両面菊座金
積層綱に青紙が挟まれている高級版「大」サイズ。特大サイズより一回り小さいですが見た目より かなりの重量感が有ります。其れもその筈で 刃厚が7mm。重さも本割込特大と同じ位有るのです。裏側には高級版を示す「竹虎の刻印」と「元佑作」の刻印が入ります。この元佑作の刻印は これと青紙本割込版にしか有りません。しっかり桐の箱に収まっています。写真に写すとせっかくの積層綱模様が光ってしまい中々うまくいきません。ハクバのスタジオボックスを使い始めたんですが(^^ゞ 流石に丁寧な造りで「大」にありがちな「柄の先端部欠け」も回避されています。チキリが箱出しだとデコボコで ヤスリとリューターで整形してあります。そのチキリのサイズが半端じゃなく大きい。どうも大きさそのものには基準が無い様なのです。所持しているカネ駒製品中で一番これが大きいのです。購入後二三回研いで使っていますが 切味も良く長切れする優秀な肥後守です。
※リューターって何だ?という質問が有りました。私の使用しているのは「RYOBI ホビールータHR100」というものです。モーター仕掛けで研摩を行う道具です。先端の部品を変えることで研摩から彫刻 切削が可能です。
刃材:青紙割込 柄材:真鍮 全長177mm 鞘長98mm 刃長78mm 刃巾15.0mm 刃厚4.0mm 重量60g チキリ穴有 元佑銘有 両面菊座金
これも特大より一回り小さな標準型。柄に「元佑作」の文字が刻印されている。竹虎の刻印は無い。現在販売されている肥後守で、作者銘が刻印されているのは「竹虎刻印入青紙本割込」と「竹虎刻印入多層綱大」「特別鍛造青紙本割込」の三種4タイプである。面倒くさい命名です。このタイプの物は刃の長さに比べ、刃厚が厚い為写真以上にガッチリした印象を受けます。実際にも相当頑丈な造りです。まず最初に二三回研ぎ込んでから使う物と作者の永尾元佑氏は言われているそうです。御尤もです。肥後守は最初研いでから使うのは我々世代の常識..........って通用しないか。柄がユルユルになった時はジョイントピン側の柄の部分をペンチで少し締めてやると復活、とかピンが緩んだ時には石ころで叩いたり、コンクリートとか河原の石で研いでみたり、と折れるまで使い倒しました。今は「たたき台」という金属板が900円位で市販されていて これにピン穴が開けてあるから それに合わせてピンポンチでカシメ直している。其れは兎も角 「チキリ」の荒い仕上げが気になります。
私が時々お世話になる三木市のショップからの第一報が下記のものでした。永尾駒製作所=カネ駒の定番品「青紙割込 大」の真鍮柄を止めてしまうというものでした。。(下記引用)
この新しい肥後守、青紙本割込みながら鞘は鉄クロームメッキを使っているのが特徴です。長年肥後守を扱ってきた我々業界の者としては正直複雑な心境なのですが、(真鍮の)材料費が高騰している時代背景を反映し た苦肉の策と捉えればコレクションに加える価値は充分に有ると確信いたします
そして第二報が下記のものです。定番品のみならず「現行品は全てステンレス柄にする」というとんでもない話だったのです!!(下記引用)
美しい山吹色、そして使い込むほどに味の有る渋さが出てくる真鍮こそが最もポピュラーでスタンダードな肥後守の鞘のイメージですから・・・多重鋼を用いた特別バージョン等には真鍮を残すか もしれませんが、やはり売れ筋の定番も真鍮を使い続けて欲しいものです。手島様のご指摘通りステンレス鞘だと刻印も薄いで すし、安っぽく感じます。永尾さんが考えを改めてくれるのを願うばかりです。
試作品の青紙割込・大を入手出来ましたので皆様のお目にかける次第です。どう見えますか?六から八枚目の写真は現行品真鍮柄との比較(とても同じクラスには見えません)です。問屋さんや大手の卸の方、大手販売店へのプレゼン用に永尾さんが制作した為、刃の研ぎは素晴らしく チキリの整形も念が入っています。九.十枚目は「宮本製作所製・宮本武蔵シリーズ廉価版ステンレス柄(上段)」との比較です。宮本武蔵シリーズの刻印の深さを見て下さい。刃材や精度は殆どカネ駒製と変わらず、実勢価格は宮本武蔵シリーズの方が安いのです。どちらを選ぶでしょうか?
刃材:青紙割込利器材 柄材:ステンレス 全長172mm 鞘長95mm 刃長76mm 刃幅14mm 刃厚2.8mm 重量44g チキリ穴無 両面凡座金
私の感想は「安っぽいうえに刻印は読めず・廉価版と何が違うんだ?」です。
青紙割込大、同特大が200〜300円程度値上がりになるかも知れませんが、現行のまま、真鍮柄で作ってもらう予定です。去年の暮れに、青紙割込大、同特大がクローム柄になると通達がありましたが、一旦白紙に戻っていると思われます。一昨年ぐらいに、鋼材の値上がりのせいで、仕入れ価格が上がっているのですが、今度は真鍮が上がっていて、今の値段で青紙割込のタイプを作るのは、かなり難しいらしいです。しかし、現行価格でクローム柄になるのなら、多少値上がりしても真鍮柄を作って欲しい、と申し入れましたところ、なんとかその方向でやってみると、返事を貰ってます。まだ、確約とまでいきませんが、まず大丈夫だと思います。笹刃型以上のクラスは、特に問題なく、そのまま真鍮でいけるそうですので、おそらくステン柄に変わると言うことはなさそうです。
いや正直 明治以来の伝統的文化が無くなってしまうか、と心底 心配いたしました。この青紙割込版はOEMであちこちの刃物屋さんが独自の刻印で出している物ですから それが安ピカのステンレスになどなったら 何処の老舗刃物店も付き合いを考えてしまうだろうと案じてしまいました。北京オリンピックによる鋼材の値上りが とんでもない格好で影響したわけです。御当地茨城県では消防団の半鐘が多数盗難に遭い大迷惑という.....
2007年4月末追記)日本全国で信じられない物の盗難が相次いでいる。道路の溝を塞いでいるステンレスのフタ、土建屋さんの倉庫から何トンという大きさの鉄板、揚げ句に「通電中の電線」である。これは「ヒモ切り」という明治時代以来の伝統的泥棒である。揚げ句に失敗して墜落死した仲間を山中に埋めて逃げて来たってんだから まるで三角寛の山窩小説である。芸能人の弟の元芸能人まで電線窃盗で捕まったり 嫌な時代になったもんだ。
刃材:青紙割込 柄材:真鍮 全長175mm 鞘長100mm 刃長76mm 刃巾15mm 刃厚4mm 重量57g チキリ穴有 両面菊座金
上記青紙本割込「大」と同一バージョンですが、実はプレミア物の変わり種。柄(鞘)の裏側をご覧下さい。珍しい「トンボ」の絵と片仮名で「カネコマ」という刻印が有ります。この刻印は、この下の方に掲載した「黒打ナイフ」に刻印されているものと同じ物です。カネ駒純正、OEM を問わず この刻印の有る物は この個体だけです。何故この個体にだけトンボ刻印が打たれているのかは謎です。肥後守そのものとしての出来具合も良く、チキリの具合やジョイント・ピンの叩き具合等 非常に奇麗な個体です。「カネコマ+トンボ」を今後はトレードマークにするのか?と思ったのですが この個体以後 続いた物は有りません。トンボの細い胴体まで奇麗に刻印されている処を見ると、新品の型で刻印したものでしょう。他の部分については全く普通の「特別鍛造・青紙本割込」大サイズと変りは有りません。切手やコインなんかだと規格外れって価値が高いんですが、肥後守では珍しいというだけかな。(mailで「東急ハンズで販売されていたよ」と教えて下さった方がいらっしゃいました。ただ他には このマーク入りの物が売られている形跡が有りません)
刃材:青紙割込 柄材:真鍮に黒色塗装 全長173.0mm 鞘長96mm 刃長77mm 刃巾15mm 刃厚4mm 重量60g チキリ穴有 元佑銘有 両面菊座金
上記のものの「黒塗り版」色が違うだけで相当印象が違う。スペックは上記と同一です。よく剣鉈だとブレードの峰の部分も黒塗りにしますが 肥後守のブレードで黒染のものは見たことが有りません。(と書いた後、佐治武士氏の越前守黒染仕様が発売された)いかにも割込鍛造らしい厚手の刃体が迫力を出しています。
中級クラス以下の肥後守・肥後ナイフであれば、普通は黒鞘のほうが柄材が薄く価格も安い。刃は同じでも鉄柄になっている物が多い為であるが 高級版になると真鍮柄に黒塗装を施すため却って手間が掛かっている。鉄柄+黒鞘はヒマサ金物の「竹虎肥後守」が著明である。(カネ駒OEM=下の方に写真有り)四国・九州方面では黒仕上の方が好まれるようだ、と刃物店の方の話であった。
刃材:黄紙割込 柄材:真鍮に黒色塗装 全長181mm 鞘長98mm 刃長83mm 刃巾14mm 刃厚3mm 重量50g チキリ穴無 両面菊座金
基本的に肥後守特別鍛造本割込笹の葉型真鍮と同一の色違い版。或いは青紙本割込黒鞘の別バージョン。肥後守は、黒塗りを正当派だという人も多い。関東に住む私には「真鍮柄」が肥後守というイメージがすり込まれてしまっているが、九州 特に熊本以南では「縦折り」「黒塗り」「笹の葉=トンガリ」こそが肥後守のイメージだという方が多いそうである。たまたまカネ駒では真鍮柄を黒く塗装しているが、本来は鉄柄の錆びるのを防ぐ目的での黒塗装だったそうである。このタイプは菊座金を使用しているが チキリの穴が無く、元佑作の文字が無い。微妙な立ち位置の個体である。




刃材:黄紙割込 柄材:真鍮に黒色塗装 全長175mm 鞘長98mm 刃長80mm 刃巾15mm 刃厚3.0mm 重量52g チキリ穴無 両面菊座金
上記剣型の黒鞘バージョンな筈なのだが、明らかに刃先の形状が違い 上方に反っている。わざと そうしたものかは不明である。3枚目の写真を見ると良く判ると思う。この為、見た目が一層「剣先」型に見える。鞘が黒色仕上のため獰猛な印象になる。カネ駒の剣型、特に黒鞘は仕上げがイマイチ荒い、という評判もあるが上記の剣型も含め 中々仕上げはしっかりしている。ジョイントピンも太く、菊座金も丁寧な仕上げで、この個体については チキリも奇麗な仕上がり具合である。この刃の形状は 研ぐのが難しいので、箱出しの状態で刃付けがおかしいものが有ります。刃が刃先に向かい急角度で曲がる部分は 難しい場所ですね、自分で研げる方には御奨めです。
刃材:青紙割込 柄材:ステンレス 全長290mm 鞘長163mm 刃巾23mm 刃長125mm 刃厚3mm 重量178g チキリ穴無 両面菊座金
とにかく大きい。バランスが取れているため小振りに見えるが、8枚目の上から二番目が「特大」サイズである。ジャンボサイズの柄は厚手のステンレス板である。「肥後守定駒」の通常サイズの刻印が何だか可愛く見える。これが真鍮柄だったら刃体を支えきれずに壊れてしまう。惜しむらくはステンレスの柄の縁が かなり手荒な仕上げなのと、カネ駒共通の「チキリ」の仕上げが これまた荒い点である。チキリが大きいからけっこう目立つ。このジャンボ版もリューターとヤスリを使って少々修正した。何しろステンレス鞘の裏と表で形が違っている。最初は丁寧にリューターで削ったが とても間に合わず、金ヤスリでおおまかに合わせ それから徐々にラインを合わせた。ステンレス板が硬くて苦労しました。この大きさというのは実用向けではなく「コレクターズ・エディション」ということでしょうね。最後の写真の上から二番目が「特大」サイズですから 殆ど二倍の巨体です。小振りの剣鉈と比較したほうが良いかも。
※このジャンボ版は「(株)古川商店」に色々御世話になりました。最初「銘無し」版を送ってこられたのですが「収集家」である旨をお話したところ「カネ駒刻印入」版と交換していただきました。感激です。
刃材:青紙割込 柄材:真鍮 全長177mm 鞘長98mm 刃長80mm 刃巾15mm 刃厚2.9mm 重量49g チキリ穴無 両面凡座金
竹虎の絵や「元佑」銘の無い中間版型の「大」サイズ。スタンダードサイズのスタンダードモデル、いわば一番ポピュラーなのでライバルも多いタイプである。流石に本家カネ駒製で鳩目金具は太目だが竹虎等に比べると一回り細い。だが きちんと丸めて潰してある。菊座は使っていないがワッシャーは両面。チキリもこの個体は奇麗に整形されバランスも良い。刃体に「青綱割込」の刻印が有るが割込鍛造ではなく利器材仕様である。切味には問題はないし 結構長切れする。どこぞの学童用大量生産品とは見た目からして全くの別物。これはネット通販の「MARUOKUネット」で入手したが¥1450とリーズナブルな価格である。 手が小さい方は こちらのサイズのほうが使いやすい。(有次と菊一文字のOEMモデルは これと同じモデルである)
刃材:青紙割込利器材 柄材:真鍮 全長175mm 鞘長97mm 刃長80mm 刃幅14.2mm 刃厚3.0mm 重量50g チキリ穴無 両面凡座金
上の方に旧バージョンの特大も掲載したが同じく旧バージョンの青紙割込板・大サイズである。見分けるのは文字(刻印)の大きさである。これもまた刃が最初からベタ研ぎで仕上げられていて修復作業が非常に楽であった。写真が少ないのは 実は修復途上で刃の反対面が未だお見せできる様な仕上がりになっていない所為なのである。刃厚に関しては特大サイズよりも差異が少なく 見た目の刻印の違いだけである。カネ駒製の肥後守だけをコレクションされている方に取っては見逃せない物と思う。何しろYahooオークションで出されている肥後守で旧バージョンの物が時々出ているのを皆見過ごしているのだ。写真を拡大して「文字が小さいぞ」という印象を受けた場合は旧バージョンの可能性が有る。この型は非常に研ぎやすい。何しろベタ研ぎだから そのまま刃紋砥石にでも掛ければ きれいな仕上がりになる。(刃紋砥石=刃紋を奇麗に出せる#600の中砥=多層鋼の刃紋も奇麗に出る特殊目的の合成砥石である)砥石 特に天然砥石にハマると地獄に落ちる........
カネ駒 黒打万能ナイフ・紐巻鞘入 約4250円
刃材:青紙割込 柄材:鉄(共柄)全長150mm 刃長63mm 刃巾20mm 刃厚2.8mm 重量54g
これは珍しい「カネ駒」製の共柄の和式ナイフである。。これも「MARUOKUネット」で御世話になったが、カネ駒で試作品に近い形で造ったものだそうです。
刃体は洋式ナイフで言う「スペイ」型で両刃。きちんとしたキリオン(指掛け)が有り、柄の右側面にはアクセントの赤いテープが巻いてある紐の間から見えている。後から複数出回ったものには色々なカラーの製品が存在した。左側面(握った状態で)にはカタカナで「カネコマ」の文字と トンボのマークが入っている。不勉強で「カネ駒」がトンボのマークを付けている物を私は他に知らない。注)ソングホールには「豆肥後」に付いているのと同じ鈴と組み紐が付いている。布製シース(鞘)は紙?の芯が入っていて、内側には赤のフェルトが貼ってある。抜け落ち防止用の赤い紐(ゴム入)がアクセントになっている。各種肥後守の刃付けよりも相当鋭い研ぎになっている。これは かなりのコレクションアイテムである。写真だと派手に見えるが実物は中々渋い。萌葱色の紐に赤のアクセントが似合っているのだ。純粋に感心した。
刃材:利器材 柄材:真鍮 全長97mm 鞘長55mm 刃長38mm 刃巾7mm 刃厚2.5mm 重量15g チキリ穴有 両面凡座金
ジャンボの次は本家謹製最小の「豆肥後」である。これだけ小さいのだが刃厚が2.5mm有り、ルーペで刃を観察すると「無鍛造」ではあるが全綱打抜ではなく軟鉄で鋼を挟んだ利器材を使っている模様。刃厚が厚い上に ちゃんと太いピンを使用している。残念なのは「菊座金」ではないこと位。刃も ちゃんと使える。鞘(柄)も大きなサイズの物と同じ厚みの物を使っている。一緒に写り込んでいるのは青紙割込特大である。
日本には江戸の昔から打ち刃物で「豆ナントカ」という伝統が有る。例えば「カンナ」とか「鑿=ノミ」とか植木用の剪刀などがコレクション用の超小型のものが存在した。これらは現在でもコレクターが高値で取引している。鍛冶職人が器用さを競い、腕前を見せるために作ったものである。「豆サイズ」でも全て ちゃんと使えなければならないのだ。有名鍛冶の造った組鑿一そろいが何百万円もする。しかし残念な事に この豆肥後も偽物が出回っている。ホムセンあたりで売られている中国製の雑で御粗末な出来のものだが「携帯用ストラップ」や「キーホルダー金具」が最初から付けられていて「本場」とか「本鍛造」(嘘つけ!)とか書いてある。一見地味なパッケージの 組み紐と鈴が付く物が本物である。Yahooオークションで見かける刻印名が派手にズレている物は失敗作なのかな?何れにせよ真っ当な品物と値段が一緒ですから落札なんかしないことです。(しかも「長尾」と名前も違ってるし)
この豆肥後は實光(じっこう)包丁で御世話になりました。
豆肥後守で屋号の刻印を打った物は案外少なく、大抵は「大」とか「大大」サイズが多い。ここに掲載したのは珍しいだけではなく この「萬屋」さんのHPが余りに面白いからなのだ。
何でこれだけのHPが埋もれていたのか.......是非見て欲しい、「刃物の萬屋」である。特に鑿とか鉈のところなど和鉄大好きという方にはうってつけである。
刃材:青紙割込 柄材:共柄藤巻 全長180mm 刃長62mm 刃幅18mm 刃厚4,5mm(刃付根部) 重量86g
完全にレア物の珍品切出し小刀である。ショップさんが直接永尾さんから仕入れた物で 数が無いそうである。市販されるかどうか不明で この個体はシースが付属しない。柄は藤が巻いてあり黒漆で しっかり固定されている。刃の付根に例のトンボマークと反対側には「青紙割込」の刻印が有る。持った感じはズッシリと重く以前市販された「万能小刀」より重厚な造り。ノギスを当ててから気づいたが刃の厚みより柄の厚みが薄く(3.6mm)造られている。恐らく藤を巻く為に最初から薄く設えたものと思う。青紙割込利器材とは思うがチャラチャラした軽さが無くて実に重厚な渋味の感じられるものである。まず大きさの比較に使ったのはカネ駒の「大」サイズと「万能小刀」であるが 普通の切出しなら「片刃」なのだが 二者共に両刃である。カッターナイフの様な切れ味を求めるなら片刃が有利だが利き手によって表裏が逆になるという不便さがある。最後の二枚の写真は最上段が佐治武士氏作の「宝刀切出」中段が私が日常使っている大量生産品の切出で何れも片刃で裏スキが施されている。切れ味の鋭さは片刃には及ばないが 研ぎによって相当左右される。この渋さで何か適当なデザインのキャップでも付けて正式にラインアップして欲しい。シースは買った人が好きに造る、で構わないと思う。
追記)普通に研ぐと、先端が急角度で細くなっている為研ぎムラになりやすいので御注意を。
刃材;青紙割込 柄材=組立キットを流用(詳細不詳) 全長220mm 鞘長125mm 刃長95mm 刃幅19mm 刃厚3.0mm 重量176g
青紙割込の肥後守のブレード部をフォルダーナイフのキットに移植した まさに異色のフォルダーナイフである。しかし製造が永尾駒製作所であり この頁に掲載することに異を唱える方は少なかろう。
これを見て「あ、Yahooオークションで前から回転寿司になってるやつ.......」と気づいた方も多かろう。この個体はショップさんが永尾さんから直接仕入れた氏素性の明らかな物なのである。大きさや重さを表記するよりバックの110と比べた方が実寸をつかみやすいかと思い比較写真を撮影した。ちなみに110FGは重さが203gだった。ブレードをオープンした時は中々の姿なのだが。写真を見ていただければ御分かりかと思うが かなり無理を承知のデザインというか意匠である。

上段がBUCK-110FG,柄のカーブが110より きつい。
ブレードはギリギリでフォルダに隠れている。先端部などは1mmも余裕は無いのではないだろうか?また畳んだ状態でロックバーは少し浮き上がった状態である。工作精度の問題というか まあ洒落である。神経質な方は買わないほうが良いだろう。この意匠を喜ぶ人間達の為のナイフである。
洒落で造った物ゆえ 精度うんぬんは無視する。問題は刃体部側面が殆ど丸出しというか、グリップよりも外に出てしまっている事。ポイント部分は もう本当に微かに隠れているといった風情である。サビに弱い炭素鋼だし刃体部丸出しというのは良いやら悪いやらである。何しろサビが出たら丸見えである。なにもこんなにラウンドのきついフォルダでなく もっと直線的な柄のナイフキットが有るだろうに。グリップにはメーカー名とかは一切無く 刃の側面に「登録肥後守」と刻印がある。ロックは きちんとかかり動作もスムースだが 畳んだ状態でロックバーが軽く浮いた状態になっている。これはブレードピンとフォルダの角度がキチキチのため刃の付根に溝が切り難い為 仕方がないかと思うが 細かい拘りの有る人は許せないかも知れない。ナイフとして使って見るとバランスは却って110よりも良い。これは重さが軽く、テールへビーにならない為だと思う。動作そのものはしっかりとしていて握っても安心感が有る。110と比べるよりも「雪峰刀」と比べるべき物かも知れない。切れ味は流石に青紙割込の炭素鋼ならではのもの。コレクターなら購入して損は無いと思う、が Yahooオークション物件は頑として15000円で譲らない。逆に1万円位で開始価格を設定すれば勝手に入札価格が上がると思うのだが? まあカネ駒純正の異端児という珍しい存在である。かなり入手しにくい物件であろう。
肥後守定駒 廉価版クロム柄シリーズ 特大・大・中
「肥後守定駒・割込・廉価版」(大)近所のホームセンターで購入 ¥690
刃材:利器材 全長170mm 鞘長100mm 刃巾18mm 刃長70mm 刃厚2.5mm 重量43g 柄材クロム チキリ穴無 両面凡座金
カネ駒製の普及版「クロム柄」シリーズである。刃材は黄紙を挟んだSK材で、薄い刃を持つ。チキリはきちんと潰してある。アルミワッシャーを使用し、ブリスターパックに入れて売られている。価格は約500円で文具店やホームセンター等で最も良く見掛けられる。但しカネ駒製品の分布は「西高東低」で北関東のホームセンターで見掛ける物は「宗近」もしくは そのOEMである。たまたま この個体だけが残っていた。同じ店では「味方屋」の廉価版の鉈(一応木鞘がスケルトンになったやつ)を数種類 手に取って見られる様に販売している。これは関西では見られないと思う。
刃材;利器材 柄材:クロム 全長160mm 鞘長92mm 刃長68mm 刃巾13mm 刃厚2mm 重量35g チキリ穴無 両面凡座金
廉価版の小型サイズである。このサイズは中々探しても見つからない。ネット上で「肥後」とか「小刀」とかをキーワードに検索していると「本割込」で「ステンレス柄」「カネ駒」というのを見かけ「そんなの有ったか?」と買込んだのがこれ。このサイズだとステンレス柄は型抜き仕様だけだと思っていたら ちゃんと刃先に「本割込」マーク!三層綱の利器材である。カネ駒ブランドだけでも相当数の種類が有るなあ。しかし廉価版の常で 地金が妙にザラザラした感じです。このザラザラ感が同じ廉価版でも各社違います。
刃材:利器材 柄材:クロム 全長210mm 鞘長120mm 刃長91mm 刃巾15mm 刃厚2.5mm 重量65gチキリ穴無 両面凡座金
これも上記「中」と一緒に入手したもの。大阪に有る寶光包丁さんから購入。真鍮柄の高級品との一番の違いは「刃が少し薄い」「地金の刃材が明らかに安っぽい」「ジョイントピンが細い」「菊座仕様でない」事です。しかし全体の造りは流石に廉価版でも どこぞの「肥後ナントカ」とは違いヘナヘナした感じは一切無く かなりガッチリした造りです。ただ ほぼ同じ大きさの高級版との40gの差は かなり大きな感じです。サイズが大きいだけに廉価版でも存在感があります。普段に使うならこれで充分だと思います。
刃材:青紙割込利器材 柄材:ステンレス 全長175mm 鞘長98mm 刃長80mm 刃幅14mm 刃厚2.9mm 重量45g チキリ穴無 両面凡座金
ステンレス柄の廉価版肥後守に廃線になった「三木鉄道」の社章と駅名が刻印されている。Yahooオークションで落札する時に鉄チャンとの戦いを覚悟し、パソコン前で張り付いていたが意外に入札者が少なく スンナリ落札と相成った次第。裏面だがステン柄の光で解りにくいが三木 高木 別所 西這田 石野 下石野 宗佐 国包 厄神 続いて三木鉄道の社章、縦書きで三木鉄道と彫られている。紙箱には「さよなら三木鉄道」の文字がシールで貼布されている。ウィキで検索すると営業キロ数が日本一短く第3セクタ化しても利益が出ないという事で廃線となったとの事。何となく寂しいが仕方がないのかも......。御当地水戸でも「ナンタラ交通」「ナンタラ鉄道」と、まんま電鉄会社が路線バスを引き継いで営業しているが 元は市内を走る路面電車だったり近在の港湾都市との連絡線だった会社である。しかし羨ましいのは三木市には「肥後守」という日本に知られた特産品が有った事である。水戸で天狗納豆の鼻先に「ナンタラ交通」と紙でも貼った日にゃ出来の悪いスカスカの神社みたようになる。あ、いや例の黄門様の印籠にでも(偕楽園園内で買えます!立派なのは何万円ですがプラスチック製のは1200円)彫り込んだ方が良いな.....何書いてるんだろ?
2006年6月 たまたま用事が有り近所のホムセンに行った時、今まで無かった肥後守が置かれているのに気がついた。この店は以前「肥後守って何?」と 店員さえその存在さえ知らなかった大形郊外店である。(2006年7月つぶれた!)しかし手に取って良く見ると 何かがおかしい。ソフビ・ケースだし上に掲載した肥後守と明らかに刻印が違う。「大」はともかく「中」は現在殆ど販売されて無い筈。裏返して良く読んだら制作元が「永尾駒商店」じゃなくて兵庫県三木市までは同じだが「藤原産業」と書いてある。んん??藤原産業といえば肥後隆義を造っているメーカーで........は無いそうで(2ch名犬ロンドン様多謝)そっちは藤原刃物製作所で 藤原産業とは無関係だそうです。藤原産業は三木市の金物卸業者とのことです
買って帰り早速オリジナルとの比較。こういう事をするから「病人」と言われる。まず本体はクロム柄で柄の刻印が浅くて細い。しかも字が小さい。二枚目の写真で一番上が「本家カネ駒の青紙割込の大」三枚目の一番上が「青紙割込特大」サイズである。写真が下手な所為も有るが 刻印が浅く小さいのでストロボの光で見えなくなる。サイズも「大」な筈が微妙に小さい。それにトラディショナルな「中」サイズは 本当はもっと小さい。この頁の下の方に有るので比べられたい。
刃材:SK材? 柄材:クロム 全長160mm 鞘長93mm 刃長69mm 刃巾13mm 刃厚2.8mm 重量35g チキリ穴無 両面凡座金
刃材:SK材? 柄材:クロム 全長175mm 鞘長97mm 刃長77mm 刃巾14mm 刃厚2.8mm 重量44g チキリ穴無 両面凡座金
刃厚は3mm近い。本家カネ駒の使っている物よりも灰白色が強く 少しザラついた印象を受ける。学童用の価格設定にしてはジョイント・ピンが太めに見えたが 裏を見るとピンの頭が大きいだけであった。ピンの叩き方は甘い。ワッシャーは表裏とも入っておりチキリは「一応」叩いてある。というかチキリそのものの形状がカネ駒製品と全く違う。刃のグラインダー痕が強く残り小刃は付けていない。「本割込」と刻印されているがSK材の場合は名乗っても構わないらしい。上に有った廉価版とスペックが ほぼ共通だが 向こうはブリスター・パックで「永尾駒商店」名が書かれていた。当時から学童用の廉価版等は藤原産業がノックダウン生産をしていたのだろうか?それにしては材質や価格等 ○近肥後ナイフよりも作りが良い。よく有る学童用の肥後守は我々オトーサン世代にはお粗末に見えるのだ。カネ駒廉価版の一歩手前に立ち位置があるのかな?やはり「肥後守定駒」は「永尾駒製作所=永尾元佑さん」が造っていて欲しいんだがなあ。決して安かろう悪かろうでは無いし 価格から見ればオススメなのだが少々複雑な気分のする品物である。子供達の入門用として考えれば これがベストかもしれない。
肥後守定・廉価版「大」かなり珍しい刻印のもの。
刃材:利器材 柄材:クロム 全長:162mm 鞘長:92mm 刃長:69mm 刃幅:13mm 刃厚:3.0mm 重量34g チキリ穴無 両面凡座金
一見何の変哲もない普通の廉価版学童用肥後守。ところが この裏面の刻印が珍しいマニア向けなのである。「永尾駒製作所」所有の刻印については詳細な資料を持っているのだが、その中に この「特別鍛品」という名前が存在しないのだ。自分が所有する肥後守でも再度確認してみたが「特別鍛造」と「特別鍛造品」は存在するが「特別鍛品」は無いのである。わざわざ これ専用の刻印を作成しているため、探せば出てくるかも知れないが、資料集に未記載の刻印である。刃は分厚く利器材使用であるが 柄材のクロムメッキは薄く、学童用廉価版の柄と同一であり 不思議な個体である。
刃材:割込 柄材:クロム 全長172mm 鞘長95mm 刃長77mm 刃幅12mm 刃厚2.7mm 重量41g
チキリ穴無 両面凡座金
Yahooオークションでは「戦前物」とされていたが恐らく戦後、昭和30年代物と思われる。非常にコンディションが悪くこれ以上削ると刻印が消滅するので このまま展示とした。柄の刻印が現在のカネ駒より太い字で横に広い。柄背面の消えかけた文字はカネ駒の刻印リストに無い形状である。絵や屋号の刻印ではなく文字だが磨り減り肉眼で拡大鏡を使用しても残念ながら読めなかった。
登録商標 肥後守一成 縦折鞘 中サイズ 2008年3月Yahooオークションで入手
刃材:割込鍛造 柄材:クロム 全長158mm 鞘長90mm 刃長70mm 刃幅13mm 刃厚2.3mm 重量37g チキリ穴無 両面凡座金
これは永尾製作所所有の刻印リストに名前が確認できる。刻印は製造元が何らかの理由で廃業したり製造を止めた場合に卸問屋が納得するならば製造元を代えて製造を続ける事が慣例になっている。つまり永尾製作所に存在するオリジナル以外の刻印は かつて存在した肥後守達の死屍累々といった風情なのだ。元々は三木市の由緒正しき肥後守である。資料によると昭和35年まではナイフ製造業者名簿に池尻氏の名前が認められる。この池尻氏と同一名の方が肥後守一成の出荷先として名前が挙げられている。恐らくは肥後守の製造をやめられた後 カネ駒で製造し販売したのが この一成であろう。最後の写真はカネ駒の戦後型縦折鞘(中)だが全く同一サイズでチキリの向きが対称になっている。この個体は恐らく50年程を経過しているにも関わらず全くの新品であった。錆が少し有ったが それを落としただけである。切れ味も鋭く化粧研ぎでも施せば今作られた特別製、と騙せそうなコンディションである。
刃材:青紙割込利器材 柄材:真鍮 全長175mm 鞘長97mm 刃長80mm 刃幅15mm 刃厚3.1mm 重量49g チキリ穴無 両面凡座金
島根県安来市に有る「和鋼博物館」が開館記念に作成された肥後守である。自分の持っている「永尾駒製作所所有の刻印」という資料(この頁末尾)に団体名の刻印のあるものや会社名・雑誌名の刻印のものが何点か見受けられる。これは刃物業界に認められる相手先ブランド名による供給(=OEM)である。この「和鋼博物館」銘の肥後守は和鋼博物館が約10年程前に開館した際に極く少数が開館記念として造られ、その後同館で、子供たちの「竹とんぼ製作教室」等に使われていたとのことである。入手時は錆が浮いていたが軽く錆落としをしたのが この写真の状態である。この後 3000番の水砥で研ぎ、中山(天然砥=実は木っ端です)で仕上げる予定である。鳩目の周辺の傷は 緩んだピンを子供達が金づちで叩いて修正した痕だろう。ガキ時分には石ころでひっぱたいて直していたっけ。本家カネ駒で言うと「大サイズ」に該当し「青紙割込/利器材」仕様で柄材が真鍮のものである。比較対照でカネ駒製と並べてみると少し柄材が薄いのと鳩目が一回り細く、菊座金を使っていないのが解る。刃材は分厚い利器材で これはカネ駒製と全く同じ厚さである。この青紙割込利器材仕様というのは 有名老舗刃物店が挙ってOEMしているタイプである。最も使い勝手の良い価格帯と 慣れ親しんだ大きさのものでもある。和鋼博物館の有る安来と言えば「安来鋼」と すぐ連想されるし、現在も「たたら」で刀剣用の玉鋼を造っているのも島根県である。柄の背面に刻印された「ヤスキハガネ」の文字は他のカネ駒製肥後守には全く彫られていた事が無い。青紙とか白紙というのは日立製鉄所安来工場で製造されているもので、出荷の際間違いが無いように紙の印を貼り付けたところから名付けられた名前である。刻印については「ビーパル」や「小学一年生/ドラえもん刻印」等々珍しいものが有るが、まず出回る事は天文学的確率でゼロに近い。
西勘肥後守 大 2007年1月7日 西勘本店で直接購入、1260円(税込)
刃材:黄紙割込利器材 柄材:鉄黒柄 全長159mm 鞘長92mm 刃長70mm 刃幅13mm 刃厚2.6mm 重量33g チキリ穴無 両面凡座金
過去には自前で肥後守を制作・販売していた東京八重洲口徒歩10分程の場所に有る「西勘本店」で購入してきたもの。(株)西勘本店=中央区京橋一丁目1-10西勘本店ビル1F 03-3281-2387
東京に出向いても意外に八重洲口から地上に出て歩く事が少なく、今まで買いそびれていた。八重洲地下街が発達し過ぎているのかも知れない。八重洲口を出たら真っ直ぐ歩き右手に「ブリジストン美術館」の看板が見えたら その交差点を右折するとすぐの場所に有る。店内はプロ用のコテ等がすき間なく並んでおり 壁には高額カスタムナイフもズラリと展示されている。まさかここに肥後守が有るとは思えない風情であったが、店の方にうかがうと、ショーケースから出してきて下さった。この肥後守は 価格で解る通り、黄紙利器材と鉄柄の組合せで、ヒマサ金物の「竹虎肥後守」(頁の下方に有ります)と姉妹品の関係になる。これもカネ駒OEMになるが、カネ駒では鉄柄は製造しておらず ネジレ現象を起こしている。ここは是非店の格や立地条件の格をも考えて「青紙割込」いや「青紙多層鋼」版で真鍮柄が欲しかった。この店ならば桐箱入りの豪快な価格の物が有っても全く違和感を感じないだろうと思う。何しろお隣の「千疋屋」では「桐箱入り20個=12800円!」のイチゴが売っているのである。(ここのシャーベットは実に美味である=五種盛り合わせ?で約1300円)どうも廉価版一種類しか無いのには納得いかないなあ、と感じている。肥後守マニアのオトーサンは多いんだがなあ。
刃材:青紙割込 柄材:黒塗鉄 全長215mm 鞘長116mm 刃長95mm 刃巾17mm 刃厚3.0mm 重量69g チキリ穴無 両面凡座金
昭和50年代(?)に、古くから銀座に店を構える老舗の刃物店「菊秀」から販売されているカネ駒OEMの肥後守である。菊秀?というと判りにくいが、銀座5丁目 歌舞伎座と通りをへだてた丁度向かい側に有るお店である。本職?は包丁で研ぎ直し等も引き受けておられる。銀座は意外に古くからの刃物店が多く、「木屋」「菊藤」も銀座に有る。こちらのお店で以前販売されていた「菊秀肥後守」がこれである。ほぼ本家の「青紙本割込」・特大と変らない諸データである。(OEMなので当然か)違いは柄が鉄製で黒塗りになっている部分だけで鳩目の太さも表裏とも入っているワッシャーのサイズから同一の物である。比較写真は「同じ物を写してもつまらない」と「竹虎刻印・桐箱入・青紙本割込積層綱・特大」と比べてみた。刃の厚さが1.5倍有る物と比べるのも無謀だが「鳩目(ジョイント・ピン)の太さの違い、ワッシャーと菊座の違い、刃の仕上げの違いなどに注目していただきたい。この菊秀肥後守は、最もライバルの多い価格帯で戦い消えていった個体である。だが造りは きちんとしており前所有者が きちんと手入れをしていて下さった為 サビ一つ無いコンディションを保っていた。実際に使い倒すには この価格帯の物が最も適している。単に肥後守を使ってみたい、とホ-ムセンターに出かける方々は 恐らく500円台の「学童用肥後ナイフ」を購入され、失望する。それとは別に、ネットを探したり刃物店にフラリと立ち寄るオトーサン達が購入するのが この菊秀肥後守の1500〜2000円という価格帯の物である。ナイフとしての完成度も高く、刃材も学童用とは比較にならない上質な物、鳩目も太くガタが出にくい。切味が落ちれば研ぎ直し、ピンのカシメが緩めば叩いて修正し、と或る程度のメンテナンスが出来る為 一生一本で間に合ってしまい 一度売れたら二度と買って貰えなくなるジレンマが有るのだ。この2000円台の肥後守の刃を欠いたりしたオトーサン達が、高級版肥後守の購入層になっているそうだ。(某刃物店の店主談)ちなみに この個体だが本家カネ駒よりもチキリが丁寧に造られていた。
金鶴肥後守 特大
刃材 全鋼 柄材 鉄 全長214mm 鞘長119mm 刃長92mm 刃幅16mm 刃厚3.0mm 重量67g チキリ穴無 両面凡座金
長崎のコレクタの方からオークションで入手したもの。資料では「永尾駒製作所」で所有している刻印に「金鶴」の名前が掲載されている。見た目はカネ駒特大と良く似ているが「鉄柄」で しかも分厚い柄材を用い、刃は全鋼で造られている。チキリの成形は丁寧であり カネ駒の鳩目よりも丸っこい物を使用し ワッシャーは両面とも入っている。全体的に とても丁寧な作りの肥後守である。なかなかオクでも出てこないブランドで非常に人気がある。全体的に「ヒマサ金物=アルデ・竹虎肥後守」と非常に良く似ている。
刃材:青紙割込利器材 柄材:真鍮 全長175mm 鞘長97mm 刃長80mm 刃幅13mm 刃厚2.9mm 重量49g 両面凡座金 チキリ穴無
2007年4月初旬、チビた砥石を新品にしようと安い砥石を探して「アルデ」のサイトをチェックしたら、以前は鉄柄黒鞘しか無かった筈なのに,真鍮鞘の物がアルデはないか!我が目を疑ってサイトの写真を拡大して確認したが間違いなく真鍮鞘で「竹虎肥後守」である。早速通販で申し込みましたよ。何しろアルデは「ヒマサ金物」が前身で昔は自前で肥後守を造っていた会社です。この個体はカネ駒OEMですが やはり肥後守は真鍮柄がデフォルトです。この「竹虎肥後守」は非常に由緒ある名前で昭和10年に商標登録されています。「アルデ」(=ヒマサ金物)から戦後も販売されていましたが現在はカネ駒OEMとして販売されています。刃の拡大写真は、下がカネ駒の青紙割込仕様です。カネ駒純正のものは紙箱入りですが 竹虎肥後守はご覧の通りのブリスターパック入りです。このブリスターパックの絵柄は昔の竹虎肥後守の箱に描かれていた物と同じものです。現在正式な肥後守はカネ駒のものしか存在しないため、他人と違う名前の肥後守を持ちたいというムキには非常にお奨めです。気のせいかも知れませんが、私の購入した二本とも「ベタ研ぎ」に近い研ぎ方でした。私は使う前に必ず砥石を当てるのですが 当てた時にブレード面がピッタリと砥石に当たりました。コレクターなら見逃さず欲しい物ですね。最初の一本としてもカネ駒OEMですからお奨めしても良いと思います。
刃材:青紙割込利器材 柄材:真鍮 全長215mm 鞘長118mm 刃長99mm 刃幅17mm 刃厚3.2mm 重量73g 両面凡座金 チキリ穴無
上記の物の特大サイズである。まさにカネ駒OEMで「大」に有る柄の切り欠きが特大サイズには無い。どういうわけかオリジナルカネ駒の特大青紙割込よりも鋭い刃が付けてある。肥後守は最初に一度研いでから使うものと思っていたが、この竹虎に関しては 箱出し状態から使い初めて大丈夫。この個体に関しては 柄がきちんとコの字になっていなくて 万力で修正してから鳩目をポンチで締めた。ま、こういうところが肥後守たる所以であろう。特大も大サイズも実に深く刻印が圧されていて好ましい感じがする。ちなみに この竹虎肥後守は「大工道具・金物の通販専門店アルデ」で入手できる。従来からの黒鉄鞘の物も継続販売されている。下記の物が鉄柄黒鞘で価格が半額である。価格もリーズナブルであり どうせなら真鍮柄の方をお奨めする。
特大 刃材:利器材 柄材:鉄(黒塗)全長215mm 鞘長120mm 刃長95mm 刃巾16mm 刃厚3mm 重量70g チキリ穴無 両面凡座金 920円
大 刃材:利器材 柄材:鉄 全長172mm 鞘長98mm 刃長75mm 刃巾13mm 刃厚3mm 重量48g チキリ穴無 両面凡座金 670円
「アルデ」というのが「ヒマサ金物」のWEB販売店名である。「竹虎」の説明で書いた兵庫県三木市にある金物店である。ブリスターパック入りで特大が920円、大が670円(税抜)とリーズナブルである。パッケージにはトレードマークの「竹虎」の絵が有る。価格を抑える目的で「鉄柄」で「黒鞘」としたという。黒鉄柄に「竹虎肥後守」の文字が金色で刻され、ジョイント・ピンは勿論カネ駒と同じ太さ。菊座金は不使用。チキリは叩いて潰してある。全体から受ける印象は、「格安だが上質」である。どこぞのナンチャッテ学童用肥後ナイフを買う位なら まず「竹虎肥後守」をお奨めする。欠点?は「鉄柄」で、これは柄の中が錆びると始末が悪いのだ。こういう部分の手入れを覚えるには良い。サビが嫌では肥後守・肥後ナイフとは付きあえない。上記「アルデのサイト」から購入出来る。(←直リンです)妙な高額肥後守なんぞよりも価格と言い出来具合といい優れ物である。
追記)商標公報で現在確認できる肥後守・肥後ナイフではオリジナルの「竹虎」が最も古く 昭和10年三木市からの登録となっています。
刃材:全綱 柄材:クロム 全長182mm 鞘長104mm 刃長78mm 刃巾13mm 刃厚2.5mm 重量44g チキリ穴無 両面凡座金
これが「ヒマサ金物」が製造していた当時の「竹虎肥後守」の現物である。現在「アルデ」のサイトで販売されている物は カネ駒OEMだが かつては正式な肥後守を製造販売していた由緒正しき正統派肥後守である。柄材は表面が梨地に見える材質で文字の刻印は浅め、最後の「D.S
100」の意味が不明である。入手した個体は新品棚ズレというやつで 全くの新品である。紙箱こそ無かったが傷一つ無い新品である。刃はしっかり研いで有り職人さんの技術・手間がしのばれる。名品と呼ばれる肥後守・肥後ナイフで挙げた山正にしろトップマンにしろグラインダで削って熱処理した後の刃を きちんと手で研いでから出荷しているのだ。今の機械で削りっぱなしとは訳が違う。刃の拡大像で見れば判るが、全くのベタ研ぎで小刃付けをしていない。これが基本の肥後守の姿である。恐らくこの個体を「暮らしの手帖」がテストしていれば、名品の中に入った筈である。でもD.Sって何だろう?デッドストックじゃないよね?
登録商標竹虎ナイフ 2006年6月YaHooオークションで入手、デッドストック物 紙箱付き7本(カネ駒OEMではない)
刃材:全綱 柄材:クロム 全長168mm 鞘長97mm 刃長73mm 刃巾13mm 刃厚2.1mm 重量33g チキリ穴無 両面凡座金
恐らく雑貨商の物と思われる古びたボール紙の箱に 殆ど日焼けや色落ちの無い「竹虎ナイフ」が7箱入っていた。
この「竹虎ナイフ」の紙箱が凝った作りで、内箱の底面つまりフタを開けないと見えない所に「BEST KNIFE 竹虎ナイフ」という印刷がしてある。ちなみに この部分は箱のパーツになっており、専用に作られた物である。肥後守・肥後ナイフの紙箱は、相当高級版でさえ粗末な作りが多いのに、である。但し「竹」の絵は有るが「虎」が何処にも無い。更に「チキリ」が有るのに 何処にも「肥後」の文字が無い。
このナイフだが 見た目は「学童用」であるがワッシャーは両面に入りチキリも叩いて潰してある。柄には「登録・竹虎ナイフDX」と刻印されていて「ナントカの守」「肥後ナントカ」ではない。刃がフラット・グラインド(べた研ぎ)ではなく洋式ナイフのホロー・グラインドになっている処である。しかも7本中4本に研ぎの修正が施してある。つまり職人さんが ちゃんと手間を掛けて作った物である。ジョイント・ピンは細目だが両側とも きちんと叩かれており 柄の部分も正確に凹の形に整形されている。刃もぴったりと柄の真ん中に収まる。恐らく昭和40年代頃の作に思えるのだが 非常に作りの良いものである。
この件に関し株式会社「アルデ」からお返事を頂戴いたしました。原文を御紹介致します。
さて、お問い合わせの件ですが「登録商標 竹虎ナイフ」は当社の商品です。 肥後守組合に入っていない方の作品は肥後守の名称を使用できませんので竹虎ナイフとなっております。(三木ではなく兵庫県加西市の職人さんが作っておられます) こちらは主に文具店向けに現在でも販売しております商品です。 現在のものは箱の中の文字は入っておりません。 ご参考になりましたでしょうか?
お返事どうもありがとうございました。感謝いたしております。つまり金物問屋経由で市販されるのではなく文具問屋系のルートで卸される一群の肥後ナイフということです。文具としては宗近や銀峯等が有名な物ですが造りは悲しいほど雑です。熱処理なんかしてなさそうなチキリ切りっぱなし、座金無しの大サイズは500円以上で買う価値は有りません。特大でも7〜800円までが妥当でしょう。
刃材:全鋼 柄材:黒塗鉄 全長155mm 鞘長88mm 刃長65mm 刃幅12mm 刃厚1.7mm 重量23g チキリ穴無 両面座金無し
果たして この個体は「ヒマサ金物」あるいはそのOEMなのかどうか不明である。恐らくは「パチ物」だと思う。(もしくは末期的症状なのか)名前は「竹虎」を名乗っているのだが写真の通り恐ろしくチープな造りである。ワッシャーは表裏供無し、チキリは一応切りっぱなしではない。ピンは細く頼りない。刃も全体に黒色塗料が掛かっていて誤魔化されるが灰白色のグラインダ痕が目立つ宗近廉価版に良く有る刃材である。肥後守で刃全体に塗料を掛けてある事自体が嘘臭さ満点である。刃を黒塗りにしてあるのは佐治師の越前守一種だけだと思う。上記の他の竹虎肥後守・肥後ナイフは チープであっても、それなりに品の有る物だが この個体からは「安っぽさ」しか感じられない。本当に「竹虎」ブランドのものなのか?一応「竹虎」を名乗っているので ここに掲載したが 正直酷い。
刃材:青紙割込 柄材:真鍮 全長173mm 鞘長98mm 刃長75mm 刃巾13mm 刃厚2.8mm 重量47g チキリ穴無 両面凡座金
三重県伊勢市に有る「菊一文字則宗支店」が販売元のカネ駒OEM肥後守である。しかも販売元の住所が恐れ多くも神社の中!「菊一文字」をネットで探して購入したもの。「菊一文字支店」が正式名称なのだが暖簾分けだろうか?そもそも「菊一文字」とは後鳥羽上皇の御番鍛冶、即ち、刀匠の元祖とも言われる則宗が、作刀に菊の御紋を頂き、その下に横一文字を彫った事から、通称菊一文字と言われる様になったそうである。ちなみに「菊一文字則宗本店」のWEBサイトも有った。
四枚目の写真はカネ駒の青紙割込「大」サイズである。微妙に菊一文字の方が小さい。カネ駒で同じ刃厚の物は「青紙本割込・大」である。ジョイント・ピンは細目で菊座金ではない。コレクターとしては「菊一文字の肥後守」という点が最重要ポイントなのである。何しろ「肥後守」はカネ駒しか無い寡占状態で、別な銘の肥後守という点にレゾンデートルが有るのだ。上記「竹虎」は健在だが「西勘」や「金竜」が入手出来なくなったのが痛い。価格もカネ駒と同じ設定であり コレクター用?という気が ちょっとする。しかし柄の銘を見ると あれ?何処にも「肥後守」という文字が無い!紙箱にだけ「登録商標 肥後守特製」の文字が印刷してある。ん?こりゃどういう事? またこの個体がハズレだったのか、箱出しでカシメがユルユル。チキリはデコボコ。柄も「コ」の字になっておらずバイスで整形しポンチでピンをカシメ直したが数回使うと緩くなる。よーーっく観察したら柄が微妙に「平行四辺形ゆがみ」だった。これが税込3675円.....さて高いと思うか 味の有る希少種と思うか どんなもんでしょう?それからWEBサイトの写真もピンボケが酷くて銘も読めないんですが。
登録商標菊一文字肥後守・真鍮120 カネ駒OEM 販売元「登録商標・菊一文字」(京都市中京区)3990円
刃材:青紙割込利器材 柄材:真鍮 全長214mm 鞘長120mm 刃長94mm 刃幅16mm 刃厚3.0mm 重量68g チキリ穴無 両面凡座金
こちらは京都の「登録商標・菊一文字」で扱っている肥後守である。Home Pageの「商品」から「その他」を選ぶと これらの4品の肥後守が掲載されている。当方は「税込価格」で記載してある。勿論現在新品で購入できるれっきとした現行品である。現在入手できる肥後守で 販売する前に きちんと砥石を当ててから販売している肥後守は殆ど無いが菊一文字の商品は全て きちんと砥石で研いでから販売している。また品質が揃っており チキリの角度が変で刃が180度開かない等の心配は無用である。実はカネ駒製の肥後守には手作りならではの「当たり外れ」が有るのだ。残念な事ではあるが.........。写真上区別が付くのは「菊の文字の上に有る刻印=馬のクツワ」のマークである。登録商標・菊一文字で購入した四点すべて きちんとした刃がつけてあり全く初めて肥後守を購入するなら このお店の物ならば間違いが無いと思う。
登録商標菊一文字肥後守・大々カネ駒OEM 販売元「登録商標・菊一文字」(京都市中京区)3675円
刃材:青紙割込利器材 柄材:真鍮 全長180mm 鞘長98mm 刃長84mm 刃幅13mm 刃厚3.0mm 重量49g チキリ穴無 両面凡座金
「菊一文字」の上に「登録」と有るのが「登録商標・菊一文字」の肥後守で 無い方が「菊一文字支店」のもの。チキリの角度や刃をフルオープンにした角度の違い、箱出し時点での刃の研ぎ方の違いが写真でも解ると思います。
刃材:青紙割込利器材 柄材:鉄黒塗 全長176mm 鞘長105mm 刃長84mm 刃幅15mm 刃厚2.6mm 重量54g チキリ穴無 両面凡座金
刃材:青鹿味割込利器材 柄材:鉄黒塗 全長172mm 鞘長97mm 刃長76mm 刃幅13mm 刃厚2.4mm 重量42g チキリ穴無 両面凡座金
登録商標菊一文字の個体はアトランダムに購入したが全品チキリは整えられ カシメもきちんとしており非常に好感のもてるお店である。菊一文字を名乗っていても「則宗」のほうは上記の様な出来損ないが同一金額ではやりきれない感じがする、せめてOEMであろうと自らの店舗名を名乗るのだから 出来損ないを販売する段階で「ああ ここはそんな程度の店か」と思われても仕方がないと思う。
刃材:青紙割込 柄材:真鍮 全長175mm 鞘長98mm 刃長80mm 刃巾13mm 刃厚3mm 重量49g チキリ穴無 両面凡座金
2006年2月YaHooオークションで落札した まず滅多に見る事の出来ない珍しい肥後守。真鍮柄の最下部に虫眼鏡でないと見えない位小さく「有次」の文字が刻印されている。「有次」は京都に有る18代続いている包丁・料理道具の専門店であり、料理関係の方には名を知られた名店である。初代「藤原有次」が鍛冶職を始めたのが1560年!というから驚きで日本史では織田信長実質デビュー戦「桶狭間の戦い」の年である。日本へのキリスト教伝来が1549年と言われている。つまり約450年近く続いている京都の鍛冶店が販売している肥後守なのである。以前ラピタのフォーラムで、この肥後守について書かれた記事を見た覚えが有る。この肥後守を手に取って繁々と拝見すると これが何と....あら?カネ駒製品?。450年前に思いを馳せたのになあー。それでも ちょっと違うのはブレードの背の部分が カネ駒銘の場合、黒塗りで荒い仕上がりだが この有次は奇麗にヤスリ掛けされている。それと真鍮柄の曲げてある側の切り欠き部分が丁寧に仕上げてあり左右奇麗に揃っている。ここはカネ駒泣き所で、左右のラインが揃っていない個体が多い。刃の研ぎも鋭い刃付けになっている。シンプルだが とても出来の良い物である。閑話休題 この肥後守はお店に行き 運が良ければ入手出来る可能性が有るそうである。私的には上品で好きな一品です。表裏とも派手な刻印が無い地味目の肥後守を欲しい方はこれです。
刃材:青紙割込 柄材:真鍮 全長194mm 鞘長108mm 刃長87mm 刃幅15mm 刃厚2.8mm 重量58g
一刀流肥後守ナイフ 切出し型 三木特産金物センターで購入¥680
刃材:全鋼 柄材:鉄柄黒塗 全長169mm 鞘長97mm 刃長60mm 刃幅15mm 刃厚2.5mm 重量39g両面凡座金 チキリ穴無
何だ同じ物の重複じゃないか、と言われれば仕方がないのですが 御当地水戸を始めとして北関東では「一刀流」ブランドを置いてある店が皆無でして これが現在この価格で購入できるカネ駒以外の選択肢という意味で価格も含めて掲載いたしました。当方だとホムセンで せいぜいクロム柄のカネ駒廉価版くらいしか置いてない為 選択肢が今すぐ増えるのは有り難い事です。真鍮柄のほうはカネ駒大と刻印と座金が違うだけで同じ物と考えて差し支え有りません。店名とショップのトップ頁をリンクしましたので「肥後守」という箇所をクリックすると二ページに渡り買い物カゴ形式で購入できます。関西方面では珍しくないのかなあ?
登録商標一刀流謹製 肥後守ナイフ 兵庫県加古川市のコレクタ氏から入手
刃材:全綱 柄材:黒塗鉄 全長165mm 鞘長97mm 刃長69mm 刃巾15mm 刃厚2.5mm 重量42g チキリ穴無 両面凡座金
非常に珍しい「切り出し型」「片刃」の肥後守ナイフである。折り畳み式「クリ小刀」「切り出し」という風情である。パッケージには「名匠鍛練」「一刀流・肥後守ナイフ」「安来鋼」「秘伝焼入れ」シリーズ名でしょうか「BIG MAN」。裏面には「株式会社イトー」「兵庫県三木市大村」の文字が有ります。全鋼です。右利き用になっているわけですが パッケージには記載は無いのですが、これサウスポー用も有るのかな?と。工作用だと片刃の方が使いやすい事も多く こういう存在は とても大きい物です。チキリは叩いて潰してあり 両面にワッシャーが入っています。片刃の利点として 切味が非常にシャープという特徴と、素人でも研ぎやすいという点が上げられます。最近では洋式ナイフでもベレッタ・アベンジャー2のような片刃の物が現れました。なお切り出し小刀は懲りだすと日本刀並みの予算が必要となる。何しろ人間国宝級の方々が皆一度は造っているのだ。特に千代鶴是秀師は晩年デザインに自由度の高い切り出しを相当数製作し トンでもない価格で売れたので、まず市場に出回る事は少ないだろうが100万以下ということは無いだろう。恐ろしくて 切り出しナイフは手出しが出来ないのである。
※2006年8月14日:最初の記載で「利器材」としていましたがこの頁を読まれた方から指摘が有り、刃の上を磨いて確認したところ部分焼き入れによるものの誤認と判明。全綱に記載を修正致しました。御指摘有り難うございました。
刃材:利器材 柄材:黒塗鉄 全長212mm 鞘長120mm 刃長92mm 刃巾16mm 刃厚2.7mm 重量66g チキリ穴無 両面凡座金
刃材:利器材 柄材:黒塗鉄 全長173mm 鞘長98mm 刃長76mm 刃巾13mm 刃厚2.7mm 重量44g チキリ穴無 両面凡座金
2006年9月、見慣れない名前の肥後守がYaHooオークションに出品されていた。「兼杉・肥後守」という名前で、資料を当たったが私が持っている「カネ駒」の保有する「肥後守」には名前が含まれていない。堂々と「肥後守」を名乗っているからには多分どこかの刃物屋さんがオーダーしたOEMだろうか?と思いオークションに応札した。無事落札出来て贈られてきた「兼杉肥後守」は「カネ駒」の紙箱に入って送られてきた。やはりOEMか、と刻印を確認すると、少し小振りの浅い刻印で「別打 兼杉肥後守」と書かれ、刃体付け根に「本割込」の文字が有る。この仕様は「ヒマサ金物・竹虎肥後守」と同じスペックの物になる。カネ駒銘で言うと「廉価版・クロム柄」シリーズの柄を鉄製の物と交換したものである。OEMで見られる「青紙割込・大・真鍮柄」はベースの価格が高くつくので その殆どが「特大」の設定を持たない。「鉄柄」で「特大サイズが有る」という意味では珍しい、というか竹虎以外での存在は知らなかった。最後の二枚の写真が「カネ駒・クロム柄」と並べて撮影した物である。ワッシャーは両面に入り、鳩目は太めでチキリも叩いてある。さて この兼杉肥後守の由来だが、ネットで検索したところ「兼杉刃物」という岐阜県関市に有る刃物店が見つかった。WEBショップではなく商品説明が無いが 恐らくここで依頼して造らせたOEM製品と考えられる。
刃材:全鋼 柄材:クロム 全長215mm 鞘長120mm 刃長97mm 刃巾18mm 刃厚3.1mm 重量73g チキリ穴無し 両面凡座金 柄に割込と表示有
非常に丁寧に仕上げられた肥後守である。資料によると「三木市井上工具」が出荷しているカネ駒OEMである。製造された年月日までは不明だが、入手時の状態はコンクールコンディションであった。。手に取ってシゲシゲと見ると永尾駒製作所産のクロム柄と同時に「トップマン」や「宮本武蔵クロム柄」とも良く似ている。(六枚目の写真 参照)違いは柄の材質で宮本製作所産のほうが明るい色調で 刻印が細く深い。チキリの形状はカネ駒ブランドのものより少し小さめで良く成形されている。ワッシャーは両面でジョイント・ピンは少し細め、刃は厚めで良く研がれグラインダ痕も少ない。柄も分厚く きちんと整形され堂々たる趣であるが なかなか流通していない逸品と言える。
割込カネ井登録肥後守 大
刃材:割込 柄材:クロム 全長155mm 鞘長92mm 刃長65mm 刃幅12mm 刃厚1.7mm 重量28g チキリ穴無 両面凡座金
カネ駒OEMのカネ井廉価版「大」である。意外にYahooオークション等で見かけないが これもカネ駒クロム柄のOEMである。入手時のコンディションが悪く錆だらけだったものを取りあえず見られるようにした。これから修復に移るところを 取りあえず掲載。
刃材:割込? 柄材:クロム 全長170mm 鞘長95mm 刃長75mm 刃幅14mm 刃厚2,5mm 重量40g チキリ穴無 両面凡座金
間違いなく正真正銘のカネ駒製の肥後守である。先日「カネ駒製では?」と御指摘を頂戴して資料で確認したところ、「まる鈴」という名称で「三木市・末広金物」の依頼で造られたカネ駒製品でした。御指摘感謝致します。全体の作りはカネ駒のクロム柄と同一のもの。刃の削り出し方が実に奇麗である。全鋼かな?とも思ったが斜めから光を当てると割込らしきラインが見える。温度処理で「高周波処理」をした物に見える事もあるが これは違うように思う。柄の刻印は細い文字も奇麗に彫り込まれていて文字の薄い所も見当たらない。精度の高い工作である。鳩目も太めでチキリは叩いてある。中々渋い肥後守だと思う。カネ駒OEMを中心に収集している方がおられるそうで これは狙い目かと思う。
丸ス登録肥後守 縦折鞘 2007年10月Yahooオークションで入手
刃材:全鋼 柄材:クロム縦折 全長175mm 鞘長96mm 刃長76mm 刃幅12mm 刃厚2.6mm 重量38g チキリ穴有 両面凡座金
丸にスのマークのカネ駒製肥後守である。両面凡座金を用いては居るが、カネ駒製では?と御指摘を受け確認。成程資料にちゃんと証拠が有った........orz
この個体は造りも丁寧で写真の状態はリューターびっしりこびりついた錆を取っただけの状態のものである。全く使用された事が無いまま保存されていたが 油脂分が固まって真っ黒けになっていたようである。なかなかの出来であり研いでから写真を追加のつもりである。
永尾製作所所有の刻印 二列目が略称 三列目は出荷先 青字は永尾製作所自社商標
□とか○とかは その中に次の文字が刻されています。
| 登録商標肥後守定駒 | かね駒 | 永尾製作所 |
| 高級○鈴 肥後守謹製 | まる鈴 | 三木市末広金物 |
| 登録商標肥後守謹製 | 三木市 | |
| ◇TO 登録肥後守 | ひしト | 小野市宮永商店 |
| 別打登録商標(鳥のマーク)肥後守 | ||
| 別打○若駒 元祖登録肥後守 | 若駒 | 永尾製作所 |
| 割込カネ井登録肥後守 | かね井 | 三木市井上工具 |
| 登録○芳忠 肥後守 | 芳忠 | 小野市宮永商店 |
| 本割込登録商標○政 肥後守別打 | まる政 | 三木市石野製作所 |
| 高級○繁 登録商標肥後守 | まる繁 | 九州 |
| 竹虎登録肥後守 | 竹虎 | 三木市ヒマサ金物 |
| 田宮 肥後守 | 田宮 | 静岡県田宮模型 |
| ○文 工作用安全小刀肥後守 | 工作用 | |
| 肥後守利光 | 利光 | 東京木屋 |
| 肥後守宗光 | 宗光 | 島根 |
| 登録商標肥後守正隆 | 正隆 | 永尾製作所 |
| 登録肥後守宗正広重 | 宗正広重 | 東京 |
| ビーパル登録肥後守宗正広重 | BE-PAL | 東京 |
| 登録商標(花のマーク)肥後守一成 | 一成 | 三木市池尻敏一 |
| 割込肥後守登録石切丸 | 石切丸 | 三木市戸川金物 |
| □原 登録肥後守金秀 | 金秀 | 三木市藤原産業 |
| 登録肥後守信久請合 | 信久請合 | |
| 登録商標肥後守政(桂馬) | 桂馬 | 三木市石野製作所 |
| 登録商標開運肥後守 | 開運 | 三木市藤原産業 |
| 登録商標大文字肥後守 | 大文字 | 広島 |
| 登録商標(梅鉢の紋)千吉肥後守 | 千吉 | 三木市藤原産業 |
| 正鋼割込登録菊管肥後守 | 菊管 | 広島 |
| 本刃付登録商標英雄肥後守政信作 | 英雄政信作 | 大阪三共コーポレーション |
| 登録商標一刀流謹製 | 一刀流 | 三木市伊藤金物 |
| 登録商標ハリマ肥後 | ハリマ肥後 | 小野市兵庫特産 |
| 正鋼割込◇吉 吉兵作登録肥後祐定 | 吉兵作肥後祐定 | 三木市板金商会 |
| 本割込登録商標東秀正 | 東秀正 | 永尾製作所 |
| 登録研秀黒田別撰 | 黒田別撰 | |
| 奈良菊一文球四郎包永 | 菊一文字四郎包永 | 奈良 |
| 登録(クツワ印)菊一文字特製 | 菊一文字 | 京都 |
| 菊秀 | 菊秀 | 東京 |
| Shears BRAND KIKUHIDE Co. | Shares KIKUHIDE | 東京 |
| BellEVUE BLUME | BELLEVUE BLUME | 神戸 |
| 天川屋 | 天川屋 | |
| 和鋼博物館 | 和鋼博物館 | 島根和鋼博物館 |
| 小学一年生(ドラえもん刻印) | 小学一年生 | 東京小学館 |
| 大喜 | 大喜 | 東京 |
| 金鶴 | 金鶴 | |
| 割込孫助 | 孫助 | 三木市井上工具 |
| 壱號 ○ス ○フ | 壱號 まるす まるふ | 他の刻印と共に打つ |
| カネ忠 ^代 | かね忠 やま代 | 同上 |
| 元祖+菊 なでしこの絵 | 元祖 なでしこ | 同上 |
| 井ゲタの中に村 | 村い | 九州村井 |
※この刻印やOEMについて最初のうち良く解らず難渋したのですが、実は こういう事なのです。
肥後守や肥後ナイフ業界では製造元が何らかの理由で肥後守を作るのを止めた場合、その会社が使用していた刻印を問屋さんが納得の上で 別な製造元が刻印を譲られ製造を引き継ぐ、というのが慣例として行われてきたそうです。現在正式な肥後守を名乗っている製造元が永尾さん以外は無い為 それら製造を止めたところの刻印は永尾さんが預かっている形となり 殆ど全ての肥後守の刻印が現在は集まっているわけです。
永尾家は初代駒太郎氏の息子さん4人が肥後守を製造(暖簾分け)し瓢箪に桂馬の意匠の物と○政の二つが有ったのですが現在廃業され その刻印は元佑氏(駒太郎氏の曾孫にあたる)の手元に有る。刻印以外にパッケージ(紙箱)が製造元を特定するのに役立つが、滅多に新品の紙箱が残っている事は無く中身と刻印銘が違うと「あ、適当に店が突っ込んだんだな」と勘違いされる。
もしも新たに「肥後守」を正式に名乗って製造する方が出たり、今は絶えている名跡を継承し製造する方が出れば、問屋さんが納得の上で刻印が移動する事も有るのです。実は上記の刻印の中に「分銅カネ宮」の刻印が無いのに気づいた時 ホッとしました。宮本武蔵シリーズにあのマークが刻印される事を期待して待っているのです。